内容説明
果たして会社員は小説の主要な登場人物になりえるのか? 著者はこんな命題を抱え、会社員が主人公の古今の小説に切り込んでいきます。取り上げられるのは、源氏鶏太、山口瞳、庄野潤三、黒井千次、坂上弘、絲山秋子、長嶋有、津村記久子、カフカ、メルヴィル……。そこから見えてくるのは、自明なものとして受けとめられている「会社員」という言葉・存在に潜む謎だった。いったい、会社員とは何者なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スノーマン
21
予想外の分厚さと私の興味のベクトルの違いに、気になるところだけ読了。会社員小説の紹介だけではなく、細かく分析。私の中での会社員小説といえば、津村記久子かなぁ。『アレグリアとは仕事ができない』かなり前に読んだと思うので、もう一度読みたい。2020/05/18
Mc6ρ助
3
会社員小説を通じて、会社員を問う。古今に会社員を会社員として扱った小説は少数らしい。いわゆる日本的雇用に通ずるかと思えばさにあらず、カフカの「変身」も会社員小説なりと。村上龍の13歳のハローワークに営業、企画、総務などサラリーマン(著者によると会社員と)のお仕事が一切なかったことにこんなところで納得する、ことほどさように、会社員とは得体の知れないものであるらしい。2016/10/14
Sosseki
3
雑誌連載「会社員小説をめぐって」の書評。漱石から、企業小説、カフカまで取り上げ、かなり面白い書評もあったが、筆者の狙いだったのか出版社の命名か「会社員とは何者か?」なんて題は期待外れ。個人的直観だが「役人(公務員)とは何者か」ならまだ成立つのではないか?2012/06/02
gixtc990
2
自分も所謂会社員ですが、会社員をテーマにした小説の解説を通じてこんなに難しく考える人がいるんだなぁというのが、正直な感想。会社で過ごしている自分とそれ以外で過ごしている自分という風に分けて考えるとなる程なぁと思うところもありました。2015/06/26
kan
2
会社員は個人(格)として小説の対象になりうるのか、会社員のON TIME は疎外された労働の時間帯でしかなく、全人格から分裂した自己でしかないのか、いわゆる企業物経済小説ではない属性としての会社員小説は成立するのかを論じた現代社会論。2013/04/17
-
- 電子書籍
- 精霊の農夫【タテヨミ】第89話 pic…
-
- 電子書籍
- 俺乱土 第23話 ROCKコミック
-
- 電子書籍
- AI海戦 人工知能は海戦の意思決定をど…
-
- 電子書籍
- 今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む…
-
- DVD
- 特救指令ソルブレイン VOL.1