内容説明
年齢も職業も性格もバラバラの女性たちが主人公の7つの物語。共通点は、みな周囲の同性との関係に悩んでいるということ。この本は、ちょっと不器用な人、人間関係に悩んだことがある人たちにとって、きっと心優しい“女友達”になってくれる。講談社児童文学新人賞作家が初めて大人の女性に贈る珠玉の短編集。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
391
魚住直子は児童文学のイメージが先行する作家だが、本書は一般文芸書。7つの短篇からなる作品集。主人公は小学生から主婦まで、それぞれ年齢や境遇の違う女性たち。彼らは案外にも狭い地域に生活しており、それは都市(おそらくは東京)の中のごく普通の環境である。彼女たちの共通点は、いずれもそれぞれの人間関係にちょっと苦慮しているところ。それは、本文の言葉を借りれば「小さな世界で生きている人の悩み」なのである。巻頭の「卒業」などは爽やかな結末だが、後の作品になるほどになんだか悲痛な感覚を帯びてくる。2020/11/22
ぶんこ
66
魚住さんは凄い。とてもリアルに女性たちの「くだらない」と一言で退けられるような、それだけに救いのない悩みが描かれていました。異性に対するよりも同性どうしのほうが気に触る事が多くて、許せないとなったり、この気持ちは墓場まで続くかも。それだけに文房具屋さんの典子さんのような聞き手がいたら、随分救われる人がいるでしょうね。2016/11/22
えりこんぐ
64
若い頃は人付き合いは苦手ではなかったのに、母親になった今は妙に身構えてしまう私。なので『首なしリカちゃん』がとても共感できるなぁ。初対面の相手は服装の雰囲気が近い人だと安心するっていうね。本当は話してみなければ分からないのだけれど。様々な同性関係の付き合いに悩む女性たちの短編。読みやすく面白かった( ´∀`) 作者さんは児童文学の方なんですね。2017/06/30
らむり
35
魚住直子さんですが、大人向け短編集です。日常の人間関係で悩む女性の物語。主人公の年齢、職業、性格、環境が作品によって様々なので、ワンパターンに陥ってなく、飽きずに楽しめました。2013/02/11
らすかる
30
女性の女性による人間関係トラブル短編集。かといってドロドロしてなくて軽くサラっと読めました。相手の服装を見て友達になれるか、なれないか判断するとか女ならでは?あ~それわかるな~って共感できることがいっぱいあって楽しめました。それぞれの主人公が苦悩しながらも最後は何かしら希望を見つけるとこもよかった。女はやはり精神的に強い。2017/07/18