内容説明
「原子力発電所の事故を未然に防ぎたい」と41年間、切に願ってきた信念の科学者の叫びは、届かぬまま。日本政府の誤った判断で、被害は必要以上に拡大してしまったが、原発の事故による電力の不足や電気料金の高騰はありえない。では、なぜ東電と政府は平気でウソをつくのか？次に危ないのはどこ？騙された人には、騙された責任がある。日本国民が今知るべき脱原発の真実が、この一冊に。
西日本も汚染されている。文科省はなぜデータを公表しない？／「ＳＰＥＥＤＩは避難の役に立たない」班目発言をどう受け止めればいい？／原発は電力会社が儲かるだけ。やめれば電気代は下がる？／緩すぎるコメの規制基準値。子どもに食べさせて大丈夫？ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
47
これまで原発や放射線について騙されていたつもりはなかったが、3.11まで無関心だったことは反省したい。メルトダウンがどういうものか、そしてこれからどうなっていくのかについて政府や東電の言うことはまずは疑ってかかろう。炉心が融けてどこにあるのか分からないとのんきなことを言っている一方でもうすぐオリンピックだと 無邪気に騒いでいることに対して改めてこの国を憂う。2015/03/25
Humbaba
20
原発事故が起こってしまい，日本，そして世界はかつての状況を完全に取り戻すことは不可能になった．責任者が適切な行動をしていれば，被害はもっと抑えられただろう．しかし，その責任者をその立場から放逐しなかったのは全国民である．その責任について，もう一度考えなおす必要はあるだろう．2013/04/04
ぽんくまそ
13
2008年、洞爺湖サミットにぶつけて札幌で市民サミットがあって、ぼくも行ったが、集まったエコな理想をかかげる人たちのなかで、原発に関心を持つ人はほとんどいなかった（大阪から一団体だけ）。核廃棄物のほうが二酸化炭素より悪いにきまっている、とぼくは思って口にしたが、彼らに取っては逆だった。今は反省しているだろうか。彼らにこの題名をぶつけたい。2012年の緊急出版で、当時は立ち読みで、放射毒入り食品への覚悟を決めたものだった。2015/09/13
ペカソ・チャルマンチャイ
8
読んでいて思うことは、あまりにも当たり前の事が書いてあると言うこと。あれだけの事故を起こし、今後数十年にわたるような甚大な被害が続いているにもかかわらず、原発を続けるという感覚は全く理解できない。本の中で述べられているように、責任者は刑務所に行ってしかるべきだと思う。それが普通の感覚ではないのか？一体誰の意思でこの国は動いているのか？やはり、「偉い奴らを動かすのは利権」なのか。悲しくて悔しいけど、諦めちゃいけないんだよね。2013/06/29
Honesty
8
日本の将来を決めるエネルギー問題について、小出さんの著作物は読む価値が大いにあると思う。東電と政府がうやむやにしようとしている原発問題。「原子力は安全」と言いながら責任を取らず、また原子力を推進しようとしている人たちに今また騙されてはいけないのだと思う。原発をとめると電気料金が高くなり、経済の足かせになるという僕の今までの考えは改まり、僕も今は原発は反対です。原子力の本質である放射性物質をどうするかという問題。子供たちや子孫にまで影響する問題を考え続けなければならないと思う。2012/07/05
