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内容説明
時空を超える〈タイムマシン〉を発明したタイム・トラヴェラーは、80万年後の世界へ飛ぶ。そこは、地上に住む華奢で穏やかなイーロイ人と、地底をねぐらにする獰猛なモーロック人という2種族からなる原始的な階級社会だった。人類の未来の姿に瞠目しながら探索を進めるうち、この世界の恐るべき真実が明らかに! 爆発的な想像力が生んだリアルな世界を格調高い新訳で。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
144
タイムマシン的概念が書かれた最初、もしくは初期の話らしい。後発になるとすでにあるものを越えようとする技巧があるだろうが、作者が前例の無いものを書いたこの作品には、素直な不気味さを感じる。文明の発展により人類が失うものへの危惧がよく見てとれる。解説にもあるように、戻ってきたタイムトラベラーが、マトンをまず食したいという自らの思考の行くつくところをわかっていないのが恐ろしかった。2016/05/21
takaichiro
97
124年前に書かれた802,701年の未来社会を描いた本書。単に痛快な物語以上に、人類の運命、宇宙の歴史、階級闘争、性と余暇と労働の変遷、その他諸々について思うさま持論を展開する。現代に至るまで同様の作品は沢山存在しているが、そのオリジナルの完成度は凄まじくハイレベル^_^面白かったな〜^_^地上のイーロイ人は美形ながら幼児にも劣る知性しかないひ弱な人間に退化。地底のモーロック人はハタラキアリだが食糧に困り人肉嗜食に回帰。イーロイ人を家畜化する。なんという対比。時代が進む先でまたいつか読み返したい!2019/07/12
扉のこちら側
84
2016年332冊め。【172/G1000】タイトルになっている割には時間移動の純粋にツールとして使用されるのみで、深い伏線になっていたりはしないのだが、タイムマシンという概念を世に知らしめたのがこちらの作品らしい。約120年前に書かれた、80万年後の未来の世界は人類にとって明るくない。カニバリズム描写と、タイムトラベラーがステーキを食するシーンの暗喩。続いて続編『タイム・シップ』へ。2016/05/16
マエダ
71
”超常の驚異や未知の不思議で読者の戦慄を誘うことを嫌い、驚愕の正体を理解できる形で、自然や宇宙の神秘を理知が解明した結果として読者に提供したいと考えた”と考察される本書、いずれは読もうと思っていたが読めてよかった。2019/03/10
ゆかーん
71
2002年に映画化された時、ワクワクしながら映画を鑑賞したのを思い出します。この地球の未来はどうなっているのか、想像するのがとても楽しくなります!タイムマシンが完成した2700年の未来では、タイムトラベラーが80万年後の地球へタイムスリップに成功します!そこには地上で生活する肌の白いひ弱なイローイ人と、地底に生活するブヨブヨの肌のモーロック人が生息していました。環境に適応する為とはいえ、進化した人類の姿は、想像以上の迫力です!地球の未来測る物差しがあったとしたら、何千何万もの長さが必要な気がします…。2016/12/27