内容説明
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『更級日記』の40年後、『たまきはる』の100年前に成立。院政期最初期の宮廷を描いた、「天皇と相愛関係の典侍」という特殊な立場にあった女性の日記。従来の説と、かなりことなる見解を示した、渾身の全注釈。
目次
上巻(序、五月雨の空に寄せて
嘉承二年六月二十日、堀河帝の病状進行
七月六日、重態
看護の日々 ほか)
下巻(十月、鳥羽帝出仕の内命
けん帳下命、除服
十一月十九日、大雪をしのぎ御月忌参会
十二月朔日、即位式、けん帳 ほか)
解題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinaba
1
☆ 素晴らしかった。注釈をする姿勢として、"良い"作品なのだから現代の解説者の倫理観に引寄せても"良く"あるはず的解釈を割と厳しく批判し排して、自分の感覚と異な物であってもそのままに飲み下し、読んで、その上でなお読み手にとってそれが、1000年の昔の書き手にとってそうであったように面白く美しくあるように伝えようという意識がとても良い2015/09/19
山がち
0
きちんと諸注と比較したわけではないけれども、とにかく注釈・解説が良かった。「萩の戸」をはじめとして、いくつも新しい説を打ち出しているようで、とても面白かった。また、当時の倫理観等にも触れているというのが非常にためになる。内侍典侍がどのような役割を持っているか、そしてそれが当時はどのように受け止められていたのかというのは、作品を読むうえで大いに参考になった。たしかに、現代の倫理観からすると、読めない作品なのかもしれない。作者自身の体験からも出てきたところであるということに、個人的にはかえって説得力を感じる。2013/07/16




