内容説明
現在最新の史料で実証する赤穂事件の真相
歌舞伎界では『仮名手本忠臣蔵』は「独参湯」(効果絶大とされた気付薬の名)と呼ばれ、打てば必ず当たる興業とされてきた。小説やドラマ・映画などでも、いまだに毎年必ずといってよいほど、さまざまな視点で描かれた作品が発表されている。しかし、それらは後世脚色された物語としての赤穂事件である。
本書では、赤穂浪士討ち入り事件の発端となった浅野内匠頭による江戸城松の廊下での刃傷から、討ち入り事件後の浪士たちの切腹の顛末、さらには事件の後日談までを、ひとつひとつ原史料にあたりながら、歴史事実として検証していく。
吉良上野介は内匠頭に賄賂を要求したのか? 内匠頭の辞世とされる和歌は本物か? 大石内蔵助は祇園で遊興にふけっていたのか? 上野介を討ちとったのは誰か? 浪士たちの切腹のありさまはどうだったのか……。
2011年末、著者自身が鑑定した新発見の史料「茅野和助遺書」をまじえ、わかりやすく「正確に」、赤穂事件のすべてを解き明かす。江戸文化歴史検定関連図書、「江戸検新書」シリーズの第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佳音
64
はっきり間違っているところがある。浅野家覚書資料を取り寄せて確かめたから間違いないだろう。著者がどうでもいいと思っているところは、史実に緩いことがわかりました。2020/01/12
フク
18
図書館 丹念に史料を読み解き赤穂事件を明らかにしていく。結論を読むと一周回って帰ってきたような気がするが。まあいい。2019/09/03
ロビン
14
TVで放送していた忠臣蔵の特番に触発されて一読。大河ドラマ『元禄繚乱』を観ていたし、年末にやるドラマも観ていたのであらましは知っており、赤穂浪士たちの自分の命を懸けて武士の筋を通す姿に打たれていたのであるが、ちゃんと関連本を読んだことはなかった。本書は資料に基づきながら殿中での刃傷事件から四十七士の切腹とその後までが描かれていて、読者に寄り添った良い新書だと感じた。人間どのみち一度は死ぬのだ。討ち入りに参加しなかった浪士たちは後ろ指を指され苦しい人生を送った。命を懸けるべき時に決然と死ぬ勇気を思う。2024/12/13
nagoyan
10
優。忠臣蔵にまつわる様々なエピソードを歴史学の立場から検証していく。さて、著者は、義士たちの行動原理を、武士として行わなければならない道徳の実践にあると考えている。自分が武士である以上は、やらなければならないことと感じたということ。江戸過激派においては、主君の仇討ということであったかもしれないが、国元多数派においては、喧嘩両成敗法が曲げられた結果、傷つけられた武士(藩)の面目の回復であった。彼らを駆り立てのは義務感であり、その義務を果たすために一身をなげうつ自己犠牲の精神に大衆は共感を寄せた。2019/05/23
書斎六尺
10
事件の時上野介は脇差しに手を掛けなかった。従って喧嘩とは言えず当時の法から切腹は間違ってはいない。では内匠頭の動機は何か。赤穂浪士が討入り上野介を討った動機は。内匠頭が上野介に殺された訳ではないのに仇討ちか。綱吉が浪士達に切腹を命じたのは何故か。それを浪士がどのように受けとめたのか。当時の世相はどう考えていたのか。この本はこれらの疑問に答えるものであるが、それは結局当時の武士が武士としてどのような考え方をしていたかという問題に換言される。また逆に赤穂事件から当時の武士の考え方や覚悟を知る事ができる良書だ。2012/06/27
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