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内容説明
洛陽から方万里の外は、夷狄の世界とされた三世紀東アジア。現在の中国東北部、朝鮮半島など「東夷」の国々の考古学的な新知見と『魏志』の世界観から、邪馬台国論争に決着をつけ、倭国の新たな歴史像を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
9
韓国をはさんだ中国との綱引きというと、日清戦争/文禄・慶長の役/元寇と遡っていくわけだが、最初は白村江なのだとずっと思っていた。しかし、よく考えてみると志賀島の金印は1世紀のものなのだから、その後白村江までの500年間もずっと交流があったのだ。https://bit.ly/2DkBgP2 をみると「卑弥呼の墓に金印が眠っている可能性は少ない」とあるが、著者の言うように西殿塚古墳が後継者の台与の墓だとすれば、ここを掘ったら「親魏倭王」の印綬が出て来たりするんだろうか。2018/11/05
Seizou Ikeda
2
邪馬台国を考察するに、「倭人伝」を『三国志』巻三十 烏丸鮮卑東夷伝倭人条という観点から捉え、現在の中国、中国東北部、朝鮮、日本に至る国々に関する記述を追いながら、邪馬台国を纏向遺跡、箸墓を卑弥呼の墓と断定する。 1~5世紀の国際情勢、地誌、世界観を追いながら自説を作り上げている。 唯、執筆を急いだせいか、記述される内容はあまり整理されているとはいえず、研究ノートや、カードをこの一冊にそのまま投げ込んだような感じを受ける。 主語のない文章が多いこともこの本を読みづらいものにしている。 2012/09/01