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内容説明
福島第一原発事故により、普段は“机上の空論”と揶揄されがちだった哲学的な多くのジレンマが現実となった! 放射能汚染、東電の賠償責任、発送電分離、そもそも原発は正義なのか――数々の難題に直面してしまった私たちは、広く徹底的に議論して解決策を見つけなければならない。本書では、原発推進・縮減・反対などあらゆる立場の参加者が白熱討論を展開。議論を通じて公共哲学の思考プロセスが身につく、全日本人必読の書。
目次
はじめに 原発をめぐる対話型講義<br/>第1講 正義論と公共哲学<br/>第2講 これからのエネルギーの話をしよう<br/>第3講 暴走する原発―功利主義対生命の尊厳<br/>第4講 東京電力をどうするか?―リバタリアニズム対公共性<br/>第5講 原発は正義か、不正義か?―リベラリズムとコミュニタリアニズム<br/>おわりに 総括:原発問題と正義、そして友愛
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
17
12年3月初版。議論は11年に行われていた内容ですから、現在では既に決着を見ている部分もあると感じました。/経路依存性/トリウム溶融塩原子炉/2018/06/04
glaciers courtesy
2
議論としては原発推進派の意見は綺麗にスイープされちゃうので(コストや安全性の問題)物足りない。バリバリ原発を推進してきた人の凄い論客とかいないのかね。それから、こういう熟議というのが大事だということも非常によく分かるのだけど、長妻議員が言う通り、実際の政策決定では迅速さが求められるので難しい、というのが痛いところだ。それはさておき、フランスでは株主もその会社が犯した問題に無限責任があるという話(投資する際に企業の業容に感心を持つ必要が出てくる)とか、トリウム溶融塩原子炉とかは知らんかったので勉強になった。2012/04/18
itchy1976
1
3・11の東日本大震災をきっかけに起こった福島第一原発の事故を受けて、原発の是非について議論をするといった内容でしょうか。討論番組などでみられる原発賛成派と原発反対派が平行線をたどるみたいなことはなかったと思います。お互いがお互いを尊重していたと思います。それほど難しい問題について賛成派・反対派の議論が聞けたのはよかったかなと思います。http://blog.goo.ne.jp/itchy1976/e/10b870f2c51661e7d73ecbcb290074752012/07/06
しゅんぺい(笑)
1
原発をめぐる問題の「正義」「不正義」を考える本。 答えはないです。考えて考えて、考え抜いて終わる本。 かなりたくさんの論点が入り乱れている本なので、一回読んだだけでは吸収しきれない。もちろん考えさせられる内容は確かにあったけども。時間をおいてまた読みたい。2012/04/20
yakumomutsuki
1
あなたは○○主義,みたいなレッテル貼りをする印象を感じたんだけど,全体的にはコンパクトにまとまった新書だと思いました.とりわけ,科学者や行動隊などの声を交じり合わせながら議論を進めており,自分の結論が変わらないにせよ,多様な意見がある,ということは分かるのかなと思いました.2012/04/05