- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
日本の高齢者の5%はうつ病と聞いたら、あなたは驚くだろうか?実際、うつ病と躁うつ病で治療を受ける約100万人の患者のうち、60代以上が4割を占める。さらに同じ100万人もの高齢者が、うつ病なのに見過ごされて放置状態というのだ。本書は「老年精神医学」の専門家が、認知症と誤解されがちな“老人性うつ”の実態から早期発見、治療までを解説。「内科の治療にも影響――高齢者が入院すると、2割がうつになる現実」「記憶力の低下――アルツハイマーなのか? 高齢者のうつ病なのか?」「認知症の人のほうがうつになりやすい?――別々に考えるのはNG」「元気がなくなるのは当たり前?――高齢者のうつが見過ごされる理由」「新世代の抗うつ剤が登場するが、精神安定剤が高齢者に使われる場合も」など、若い人や中高年には見られない高齢者特有のうつ症状とは?「おかしいな?」と周りが感じたら、ボケよりも先に老人性うつを疑うべきだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼんくら
19
母が認知症かと思ったらウツでした。対応が違うからそのへんの見極めはちゃんとしないといけないですね。薬がとても良く効いてくれました。ただし認知症の人にもウツがある場合もあると言うので混乱します。やはりいいお医者様を探すことが大事みたいですね。ところで和田秀樹さんて、あの受験の本なんか書いてる和田秀樹さんと同じ人なのかな~?2013/07/20
kumako
13
義母はコロナ禍から、義父は今夏の猛暑で外出しなくなってから、痴呆の症状が出始めた。中年期にはスポーツ楽しんでいた活動的な二人だから、家に篭もるのが良くなくて“痴呆というより、鬱なのでは?”と疑っていた。義父は回復の見込みがありそうなので、かかりつけ医にSSRIの服用について相談してみたい。本書を手に取ったのは自分が直面した時に対処できる材料を持っておきたかったからでした。2023/10/15
grape0910
10
やはりうつと認知症は違うということを再確認。根気よく支えてあげないとダメみたい。いろいろ勉強になった。2016/07/25
Humbaba
7
自殺率で考えれば,老人というのは非常に危険である.老人であるため,多少気力が堕ちたとしてもそれを不思議とは思わない.しかし,その気力の低下は加齢によるものではなく,うつによるものであるかもしれない.全てのうつを取り除くことは不可能である.しかし,投薬治療によってある程度まで軽減できる可能性が高い.2012/06/28
精看探求士
5
高齢社会、待ったなしの状況にある日本。年金問題などの経済面については触れていないが、メンタルケアの重要性をわかり易く説いている。老化という誰にでも起こる生物学的変化に加えて、喪失体験や環境変化などの影響を受け、鬱をはじめとする精神疾患になりやすくなる。認知症やせん妄との見極めが大切であり、専門家の仕事。一般の方も老人に対する方への関わりを変えることで自殺予防につながる。社会全体で明るい老人コミュニティを作っていきたい。2015/06/02