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内容説明
日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。だが親や親戚の葬儀を営む段になって途端に宗派を気にするようになる。家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。そこで初めて「うちは◯◯宗だったのか」と知る。そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、社会的影響をわかりやすく解説した話題作。
目次
序章 仏教において宗派とは何か
第1章 日本仏教宗派の源流、南都六宗(法相宗、華厳宗、律宗+聖徳宗)
第2章 仏教の総合大学、比叡山の天台宗
第3章 謎多き密教のスーパースター空海の真言宗
第4章 元祖・念仏信仰、浄土宗
第5章 親鸞が開いた日本仏教の最大宗派、浄土真宗
第6章 さまざまな禅文化が花開いた臨済宗(+黄檗宗)
第7章 葬式仏教の生みの親でもある道元の曹洞宗
第8章 2度も流罪に処された日蓮の日蓮宗
第9章 その他の宗派(融通念仏宗、時宗、日蓮正宗)、そして新宗教と葬儀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
52
題名の問いに対する答えが、たいていの読者が思いつくであろうものと同じだったことが残念だった。仏教の各宗派を把握する目的で読むのもいいと思う。2016/02/05
KAKAPO
41
我家の菩提寺は何宗?葬儀をつとめてくださった導師は、曹洞宗とのことだが、仏教にはどのような宗派があって、何が違うの?と、還暦を迎える年齢なら常識!だと言われそうなことすら知らない私は、少し仏教を学ぶことにした。島田裕已氏は、宗教学者なので、信仰を離れた客観的な視座から、 日本に伝えられ歴史に揉まれて変化しながら継承されてきた仏教を解説してくれている。各宗派における宗祖の人生も描かれ、歴史も勉強し直したくなるような気持ちにさせてくれるので、良い入門書だと思う。『葬式は、要らない』も併せて読むと理解が進む。2018/02/24
そら
38
仏教の歴史=日本の歴史と言っても過言ではない?メモしながら、とても興味深く読みました。お墓や葬式の形式が劇的に簡略化、自由化していっている現代。今後はどうなっていくのかな?2019/06/28
ひよピパパ
34
日本の各宗派のポイントを要領よくまとめた書。日本仏教を概観するには簡便でちょうどよい。新興宗教についての言及もあって面白かった。2021/07/17
大阪魂
34
宗教ってゆったら島田さん、ってくらい読ませてもろてるけど、この本も勉強なった!仏教の各宗派の考え方とか歴史とか、葬式のときに何が違うかとか、そんなのをさらっとわかりやすく教えてくれる本。浄土真宗にしろ、日蓮宗にしろ、とにかく信者が多いところは、目標とそのためにやらなあかんことをわかりやすく提示してるってことかな。でも、葬式とか出さへんって時代になってきてる中で、これから仏教ってほんまどうなってくんやろ。日々の悩みとか終活とかにどれだけこたえられるか。仏教はそれだけのことできる宗教って思うんやけどな…2019/01/12