角川ホラー文庫<br> 祇園怪談

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角川ホラー文庫
祇園怪談

  • 著者名:森山東【著者】
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043769032

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内容説明

祇園南一の老舗お茶屋「夕月」に現れた、舞妓志望の少女・恵里花。女将の月春はその才能を見抜き、夕月に入ることを認めるが、霊に憑かれやすいという恵里花の周りでは不可解な事態が続出する。それは、痛ましき伝説をもつ梅姫の呪いなのか。そう、恵里花が梅の枝を折ったその時から、悪夢が始まったのだった。雅で華やかな世界に巻き起こる悲劇のゆくえは――。日本ホラー小説大賞出身作家が描く、驚愕と衝撃の連作短編集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

★Masako★

87
★★★★ 森山さん3冊目♪「お見世出し」と同じく、祇園を舞台にした連作のホラー&ミステリー短編集。祇園南一のお茶屋「夕月」に、舞妓になりたいという少女・恵里花が突然現れる。霊に取り憑かれやすい恵里花が来てから、不可解な事が次々と起こり始めて…昔ここで殺された梅姫の呪いなのか? 舞妓、芸妓の妬みや嫉妬、恨み辛み、男にお金…絡み絡まれみな闇に落ちていく。衝撃の事実が明らかになる「赤子三味線」はかなりグロくてキツかった。そして全てが落ち着いたかと思いきや、あのラスト!やはり人の執念・怨念は恐ろしい…。2020/09/10

mocha

81
祇園の妖しい美しさとオカルティックなムードに期待が高まる前半。次第にエスカレートして、後半はスプラッタで気色悪かった。白塗りの下のイケズな女たち。恐ろしゅうおすえ。「赤子三味線」はもう、堪忍しておくれやすー‼2019/08/02

キンモクセイ

53
祇園のお茶屋夕月に舞妓志望の少女、恵里花が現れた。月春は一目見て舞妓になるに相応しいと見抜く。だが、恵里花はとても憑かれやすい体質だった。夕月に古くから伝わる梅姫伝説。祟りか呪いか恵里花が来てから起こる騒動にやはり梅姫が取り憑いているのか?始めはホラー京都の醸し出す雰囲気がどことなく妖しく女の蹴落とす世界がある。後半はミステリーへ。「赤子三味線」は少しグロい。『「祇園」の「おん」は怨みの「おん」や。』『祇園の女将は、怨、怨、怨の中で大きうなっていかんとあかんのや』悲しい女の運命(さだめ)だった。2020/04/19

はつばあば

51
数年前に鬼籍に入った年上の小学生の頃からの友人二人。良く声の通る声で「はっちゃん、建仁寺さんは俺らの庭みたいなもんやったで~」と。洛外の私はそんな彼らが羨ましかった。芸妓さんらの息子さんと知ったのは大人になってから。そんな祇園の話が、ホラーの部分もあるけれど内容がいい。このような話を書かれるからにはと思ったらやっぱり詳しいはずです。内容は検索すれば出ますが、京都好きな人、もしくは祇園を知りたい人には面白いかと。建仁寺の傍には場外馬券売り場もあります。爺様が毎週通った所だしこの辺りは見どころ満載です(^^♪2019/02/01

マリリン

46
美しい日本の風情を感じる祇園と相反する風景の存在。舞台は京都の花街。怨念・情念・激情・狂気...感情が交錯する中で味わう祇園怪談は丁重かつ細密に描かれた日本画のようだ。五感を駆使して惹きこまれるように読んだが、ただただ怖いのは、受け継がれる人の魂に宿る念なのか。母を亡くした高校生恵里花が門をたたいたお茶屋「夕月」、複雑に絡み合う怨霊。鴨川の流れに吸い込まれたように消えた月春は実の母親だったのか。弔いに向かった恵理花に怨念の言葉が風風雨の如く降りかかる。袖を引いた3歳の少女の不気味な笑い声が余韻を残す。2021/10/17

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