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内容説明
21世紀の現代、人類は観測技術の発達などによって宇宙を見る目が大きく開かれつつある。いま、宇宙の何がわかっていて、何がわかっていないのか? 宇宙の全体像とは? 宇宙の「外側」とは? 「奇妙な謎」に包まれた宇宙を人類はどこまで知ることができるのか? 気鋭の研究者が、誰もが一度は考えたことがある「究極の問い」に真正面から迫る、宇宙論のフロンティアへと旅立つ一冊。
目次
第1章 初期の宇宙はどこまで解明されているか(過去の宇宙からのメッセージ 宇宙観測は天然のタイムマシン ほか)<br/>第2章 宇宙の始まりに何が起きたのか(標準宇宙論を超える 物質の起源、いまだわからず ほか)<br/>第3章 宇宙の形はどうなっているのだろうか(宇宙飛行士の行く宇宙は地球のごく近傍 太陽系の大きさとは ほか)<br/>第4章 宇宙を満たす未知なるものと宇宙の未来(宇宙の形と足りないエネルギー 正体不明の物質、ダークマター ほか)<br/>第5章 宇宙に外側はあるか(ブラックホールの向こう側には何があるか ワームホールはタイムマシンになる ほか)
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- 評価
あうちの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
348
他の本でも類似の説明はあったが、宇宙とはどういうものなのかを一冊通して分かっている範囲で書かれていた。中々日常とは全く異なる世界なのでイメージが難しいなぁ。どんどんこの分野の研究を進める為にノーベル賞受賞などを積極的に表彰してほしいし、研究予算を取れたら良いのになぁ。2017/04/29
hiro
138
読メでこの本のことを知って、題名の「宇宙に外側はあるか」を知りたくて読むことにした。この宇宙はどのようにできたのか、宇宙の大きさは、宇宙の寿命は、宇宙は一つなのかなど、これらの宇宙に対する謎は、人類最大の謎だと思う。もちろん、この本にその宇宙に対する謎の答えが書いているわけではないが、今現在これら宇宙の謎に対してどのようなことまでわかっていて、どのようなことがわかっていないかを知ることができた。もちろん我々の世代では不可能だが、きっとわれわれの子孫たちがこの宇宙の謎を解明してくれると期待したい。2015/02/13
ひろき@巨人の肩
119
科学とは「宇宙の理解である」と実感できる名著。第1章は標準宇宙論と宇宙観測(宇宙マイクロ波背景放射、ニュートリノ、重力波)。第2章は宇宙の始まりとエネルギーの統一理論(電弱理論と強い力、重力)。第3章は宇宙の形とトポロジー(位相幾何学)。第4章は、宇宙の未来とダークマター、ダークエネルギー。第5章はマルチバースと人間原理。第2章以降は、未知の領域は何か、それを解くための学問分野は何か明確にされている。最終章では、量子論の解釈問題を起点にして、人間の認識する時空と科学の曖昧さに帰結する点が面白い。2022/04/08
ハッシー
117
★★★★☆ 現代宇宙論のフロンティアを、初心者でも分かりやすく解説した良書。最新の物理学によって解明されてきた宇宙の全体像がどのようなものなのか、どこまで解明されていて何がまだ分かっていないのかを知ることができる。ただ、ワクワクするような話は第4章ぐらいまでで、その後は禅問答のような哲学的な話になってきて、だんだん理解できなくなってくる。著者があとがきで挙げている宇宙に関する10の疑問をみると、宇宙には基本的なところでも、まだまだ分からないことが多いということが実感できる。2018/10/29
SOHSA
56
《kindle》かねてから読みたかった一冊。やはりなかなか面白く興味深い。現代科学でわかっている宇宙の姿と今後の解明の可能性は読み手の心を否応なく踊らせる。相対性理論と量子論とによる宇宙解明の試みは哲学的でさえある。本書で語られる時間論、存在論、認識論はまさに哲学的命題である「今、ここ、私」にほかならない。自然科学と人文科学とが交差し融合することは別の意味においても興味深い。最初から最後まで易しくかつほどほどに難しく、久々に一気読みさせる力のある一冊だった。特に「量子論の解釈問題」に強く惹かれた。2019/02/12