内容説明
“領地を治め米の収穫を増やし家庭を守っていたいのに配下を連れて出陣しなければならぬとは”“戦乱を利用すれば琵琶湖の魚を高値で売りさばく絶好の機会が”“紙商人になりすまし掟破りの交易で荒稼ぎ”――たとえ戦に巻き込まれても、よりよい暮らしを求めて必死にしぶとく生き抜く人々を描いた傑作戦国短編集。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
誰かのプリン
17
戦国時代の中間層から下々に焦点を当てた短編集。全6話の中で、最期章「となりのお公家さん」が面白かったです。大工の住んでいる長屋の近くに、何かの事情で、京に住んでいた元お公家さんが医者として引越してきて患者を診療するお話です。興味のある方は一読を。2017/05/01
yamakujira
6
戦国時代、歴史の影に埋もれた日常を、シビアに、時にはユーモラスにえがく6編の短編集。表題作は、斎藤家支配下の美濃で領地の経営と軍役に腐心する地侍の苦悩を見る。戦を終えて「これで普段通りの生活にもどれる」と安堵する右京亮は野心のない好人物なのに、当時の価値観からすると情けないのだろうな。「渡れない川」「魚棚小町の婿」「八風越え」「わからんやつ」を経て、最後の「一陽来復」は「一所懸命」の後日談、斎藤家の内訌を乗り越えた福光家の未来が気になる。命が軽い時代にも、みんな必死に生きてたんだね。 (★★★☆☆)2017/05/27
ちゃーりー
3
再読、戦国時代しぶとく生き抜こうとする人々を書いた短篇集、著者作品らしく明るく読み易い。2020/09/22
ぽぽんた
1
1/30 なんか、思ってたのとは違った。違うな、違うな?と思い続けながら読むのは疲れる。強いて言うなら、公家さんのお話が○2013/01/31
Junji Ogawa
1
いつの時代も中間管理職はつらいという真理がわかった。2012/03/17