講談社学術文庫<br> ルネサンスの神秘思想

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講談社学術文庫
ルネサンスの神秘思想

  • 著者名:伊藤博明【著】
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  • 講談社(2014/11発売)
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  • ISBN:9784062920957

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内容説明

千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。(講談社学術文庫)

目次

講談社学術文庫版によせて
プロローグ ジョヴァンニ・ダ・コレッジョ、あるいは〈神々の再生〉
第一部 〈神々の再生〉の歴史
第一章 蘇るオリュンポス神──詩の復興
1 ペトラルカとヒューマニズム
2 ペトラルカのスコラ哲学批判
3 ペトラルカにおける道徳哲学と詩

第二章 異教哲学の再生
1 ペトラルカとプラトン
2 ペトラルカとアリストテレス
3 一五世紀のプラトン復興

第三章 プラトン主義とキリスト教
1 フィチーノとプラトン・アカデミー
2 フィチーノの宗教理念
3 キリスト教と〈古代神学〉

第四章 〈哲学的平和〉の夢
1 ピーコ・デッラ・ミランドラの知的遍歴
2 プラトン・アカデミーの人間論
3 ピーコの『人間の尊厳についての演説』

第二部 〈神々の再生〉の諸相
第五章 エジプトの誘惑
1 ヘルメス・トリスメギストスの復活
2 〈魔術師〉ヘルメス
3 〈神学者〉ヘルメス

第六章 〈古代神学〉と魔術
1 プラトン主義者と〈古代神学〉
2 ゾロアスターと『カルデア人の託宣』
3 〈神学者〉ゾロアスター

第七章 占星術と宮廷芸術
1 サン・ロレンツォ聖堂のホロスコープ
2 占星術の復興
3 宿命占星術とホロスコープ

第八章 カバラの秘儀
1 ピーコと〈隠された秘儀〉
2 カバラの起源と教説
3 ピーコとカバラ

エピローグ ジャンフランチェスコ・ピーコ、あるいは〈神々の黄昏〉
あとがき
年表
地図
参考文献
出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

15
ルネサンスというと単に文芸復興とか美術とかいう漠然としたイメージしか持てていなかった為、その裏にある豊穣な思想に驚かされた。しかしプラトンの復権や古の神々といっても、それはあくまでキリスト教に沿っての流れなのですね。それとも異なる思想に対して不寛容なキリスト教が占星術やらギリシャの多神教をここまで受け入れたのに驚くべきなのか。カバラや占星術についても基本的なことは載っていたので、勉強になる。あと巻末の参考文献が非常に充実しているので、興味のある分野をチョイスできそう。2012/03/05

蛭子戎

5
ルネサンス期のフリーダムなキリスト教神学をまとめたありそうでなかった本。ネオプラトニズムが数百年を時を経てイタリアに蘇りユダヤのカバラやグノーシス主義なんかをごちゃ混ぜにして魔改造されていくところはかなり面白い。その魔改造された神学を一層するのがサヴォナローラの恐怖政治であったこともまた興味深い。いまだにフィレンチェで祀られているヘルメストリスメギストスなんかロマンあふれる。2018/03/24

Mits

5
日本語にすると「文芸復興」だけれども、少なくとも本書で語られている内容は「復興」というよりもキリスト教を主とする「習合」と言う方がふさわしい。キリスト教の枠を外れないように古代の哲学や神学を再解釈することに要したこじつけや都合のいい抜粋には、苦笑というか、微笑ましいというか。 「習合」によってキリスト教も多少は変質しただろうとはいえ、逆に言うとこれは、一神教の大枠がかくも強固であることを意味しているわけで、彼らがこの殻を破るには宗教改革では足りず、市民革命を経た現代でも、よもや… と思ったり。2012/03/21

しお

1
ペトラルカを端緒としてフィチーノ、ピーコの軸に通ずる思想的系譜の追跡、及び彼らが没頭する古代神学、詩的想像力、秘儀の鳥瞰の二軸を通し、ルネサンス思想の通史的理解を与える。アリストテレス主義を中心的となすスコラ的体系と一線を画しイタリア各国で展開された思想的運動は、ある意味の見境をなく種々の異教や秘儀を取り込み、キリスト教的な世界創造や啓示のアレゴリーが実際の世界にいる異教の智者に内在することを見出さんとする。レコンキスタより後にくるこの壮大な試みが信仰と学知の在り方に一石を投ずるトリガーとなったのだろう。2020/10/18

onisjim

1
フィチーノ、ピーコ・デッラ・ミランドラを軸にしながら話をすすめることで、ルネサンス思想の理解に向けてのよい入門書になっていると思った。むしろ最後のカバラについての部分は無くてもよかったくらい。「この時代の思想に関するわれわれの知識はあまり少ないのである」という著者の言葉が重たい。2012/06/09

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