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内容説明
誰もが心にとらわれや不可解な衝動を抱えている。そして正常と異常の差は紙一重でしかない――。精神科医で横溝賞作家でもある著者が、正常と異常の境目に焦点をあて、現代人の心の闇を解き明かす。完璧主義、依存、頑固、コンプレックスが強いといった身近な性向にも、異常心理に陥る落とし穴が。精神的破綻やトラブルから身を守り、ストレス社会をうまく乗り切るにはどうすればいいのか。現代人必読の異常心理入門。
目次
第1章 本当は怖い完璧主義
第2章 あなたに潜む悪の快感
第3章 「敵」を作り出す心のメカニズム
第4章 正反対の気持ちがあなたを翻弄する
第5章 あなたの中のもう一人のあなた
第6章 人形しか愛せない
第7章 罪悪感と自己否定の奈落
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
94
図書館本。始めから東電OL事件からでここまでとは知らず驚きから入る。やはり幼少期が影響していると。完璧主義や自己肯定的で挫折なく過ごすことは稀だと思うが、心理面は理解できる。2019/12/14
岡本正行
85
読み終えて、だいぶ日にちが経過した。異常とか正常とか、なにか機銃があるのか、良識とか常識とかいうが、それですべてを判断するのが変。正常か異常ではなくて、自分が基準にするべきもの、自分が変、おかしいと想うことが大事、そうしないと価値判断もなにもない。ただ、それが世間的に常識、一般基準とが合致するかは別だけど。それにめげず自分の考えが社会の常識になるようにいろいろ頑張るべきだとは思う。それが大きく違うとなると、それはそれで問題である。自分で異常と思うこと、それもちょっと異常、どれもいいじゃない。2024/02/17
Tsuyoshi
65
異常心理に至る過程を著名人の症例などを引用し分かりやすく説明してあり読みやすかった。特に完璧主義や自己否定、全か無かといった思考からくる弊害は自分に当てはまる所が多くて心に刺さる。巻末での「悪いことや苦悩、辛さも人生の醍醐味」は印象的。なかなかうまくいかない人生だが異常性を自覚できてるだけ良しとしよう。2018/07/27
風眠
64
異常心理について精神科医が書いた本。広く浅くな読後の印象だけれど、心理学の導入によさそう。素人にも非常にわかりやすい文章と言葉、こういう風に人は異常心理と呼ばれる状態に陥っていくのだな・・・とスッと入ってくる。単純ではない心の中のことを、複雑にしないで読者に伝えられる著者の知性が感じられる一冊だった。誰もが陥ってしまう可能性がある異常心理、決して特別な心理ではないという危機感をもたなければならいなと思う。さまざまな問題が生まれる根底には、保護者からの愛情が深く関係しているということが繰り返し語られている。2013/06/28
おいしゃん
61
破壊欲求や突飛な行動、奇妙な嗜好など、誰しも何かしら思い当たることはあるのではないか。異常心理というと、犯罪者のようではあるが、そういった行動を心理的な面からわかりやすく解説し、誰でも異常心理を持ち得るということがよくわかる1冊。興味深いし、日々鬱ぎ込むことが多い人は参考になる部分も多いと思われる。2016/11/10