内容説明
足が速いことしか取り得のない、フツーの小学六年生だった俺。特別に不幸ではなかったけれど、“未来に夢を抱く”ことなんて諦めていた。あいつらと出会うまでは――「ハッとする描写、レベルの高い全体図、そして、とても感じのいい読後感」選考委員・恩田陸氏イチ押し! 少年少女のひと夏の友情を描く、希望あふれるデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
68
クラス替えが行われ今度もヨータと同じクラスになった。しかし同じクラスに気になる少女がいて、その少女が去年のウサギ殺しの犯人ではないかとジュンペイは疑っていて・・。第7回新潮エンターテインメント大賞受賞作。選考委員の恩田陸さんがイチオシということで手に取りました。青春小説として面白かったです。やはり子供時代の思い出は特別なものだと思わずにはいられませんでした。ただ贅沢を言えば現在の話を絡めるのなら、もう少し突っ込んだところまで描いて欲しかったかな。次回作にも期待したいです♪★★★★2012/06/26
BlueBerry
54
大人になった同級生の語りと同時進行なんだけれど、その辺りがかなり読みにくかった(笑。物語に入り込み難くする以外の何物でもなかったですね。そこを除けば基本的には楽しめました。「犯罪加害者の家族の基本的人権については日本ではまだまだだなー・・。」終盤も妥当だと思いました。序盤X中盤○ラスト○2014/04/27
風眠
26
たとえば『スタンド•バイ•ミー』のような『ドラえもん』ののび太達のような、少年時代のある一時期を過ごした友達がいた。学校と家と仲間と過ごす秘密の場所、大人から見たら狭い世界に思えるけれど、少年たちにとってはそこが手に負えない世界の全て。宿題をシェアする、探偵みたいな危ないことをする、壊れたビートルを修理して走らせて失敗する、そして手の中の弾丸。この物語のようにドラマチックなエピソードは無いけど、あの頃一時期を過ごした共犯みたいな仲間のことを思い出す、ほんの少し痛みを伴う感じで。2012/10/01
@com
25
面白かった!!出会い、冒険、別れ・・・中学生日記か・・・いや、さわやか3組・・・時々迷々・・・違うか・・・こういうワクワクドキドキして、ちょっぴり切ない、お話大好きです。いきなり西原君のお兄ちゃんの現在が出てきて少し混乱したけど、いろんな人たちが繋がってたり3組の現在が見れて良かった。最後は会って何かあってほしかったけど・・・作者がヒナと同姓なのが気になった。2012/03/26
ちろ
23
初読みの水沢さん、とってもよかった!いま甘酸っぱさと温かな気持ちで胸がいっぱい。出先で第四章と終章を読み終えたけど、目が潤みっぱなしで困りました。大人になったジュンペイが言ってた、自分にぴったりな場所を数えてみた。私の心の原動力になっているその大切な場所を思い浮かべてほっこり中です。2017/09/30