- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
混迷する普天間飛行場の移設問題、高まる中国の脅威、繰り返されるPKO派遣、加速する自衛隊と米軍との一体化……。冷戦後の二十年で何が変わったのか? 困ったときの米軍頼みは、はたしてほんとうに有効なのか? 日々の断片的なニュースではわからない全論点が、一冊でわかる最良の入門書!
目次
序章 冷戦の落とし子
第1章 防衛省と自衛隊―巨大組織の内側
第2章 湾岸トラウマをこえて
第3章 同盟強化か、自衛隊の米軍化か
第4章 普天間問題とは何か―日米同盟のアキレス腱
第5章 尖閣諸島は守れるのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
258
少し古い本だが自衛隊を中心に日本の国防について記載された一冊。やっぱり日常生活に関係性が見えにくいから、強く改正しようと思わない人が多いけど、憲法をしっかり変えないとまともな国防が出来ないなと思った。9条があるからせっかくの自衛隊がアメリカの別働隊の様な扱いになるし、なんとかしないといけない現状がそこにあると思う。2018/06/12
ntahima
28
【Kindle-21】「私は平和主義者なので自衛隊のことなんか分からない!」という人がいる。これは間違い!自衛隊も警察も我々の敵ではない。護憲派と言いながら改憲手続は知らない、PKOの駆けつけ警護反対と言いながら憲法も国際法も知らない。知れば現実と理想の板挟みに陥る恐れがあるので敢えて知りたくない人もいるかも知れない。知らなくても反対はできるが、知らなければ現状は変えられない。本書は制服組でなく国防に詳しいジャーナリストが書いたものなので、左右のイデオロギーに関わらず読めると思う。前提知識不要。お勧め本。2017/02/22
ロッキーのパパ
16
著者は政治局も経験したことがあるジャーナリストなので、軍事面だけではなく政治面からも日本の国防に言及している。自衛隊という特殊な軍隊を有する戦後日本の防衛問題の基礎知識から始まり、沖縄の米軍基地移転や尖閣諸島などホットトピックまで分かりやすく説明している。防衛問題に触れたことない人には良い入門書だと思う。今後は日米中の三国関係が日本の防衛問題の基軸になっていくことを再認識した。でも、日米同盟vs中国と単純には割り切れそうにない。情報のキャッチアップを続けて、どう進むべきか考えなきゃね。2012/05/01
coolflat
12
超中央集権体制であり、軍事路線を突き進む現在の安倍政権の道筋を作ったのが、橋本政権なんだなという事を改めて実感した。前者は行革でこれと小選挙区制とが両輪になり超中央集権体制を形作った。後者は「制服組」の台頭だ。橋本政権は制服組による国会や他省庁との連絡交渉を禁じてきた「事務調整訓令」を廃止した。これより制服組と政治が結びつき、特に自民党の防衛政策の提言作りに制服組は深く関与した。この事は09年の参事官制度廃止にも繋がる。これを廃止したのは石破当時防衛相だが、参事官制度とは「背広組」による防衛省統制だった。2015/11/10
壱萬参仟縁
9
オスプレイ低空飛行が公然と行われる昨今。陸上自衛隊は用意周到・動脈硬化、海上は伝統墨守・唯我独尊、航空は勇猛果敢・支離滅裂(45頁)。支離滅裂では困るな。憲法条文を謙虚に読むと、違反している事実はどうしたらいいものか。既成事実を積み上げて、有名無実化していくのはおかしいと思う。また、人間の安全保障をどうしたらいいものか。国防とは、国家を守ることだが、国民を守るのは人間の安全保障や食糧安全保障だろうが、今後のTPPで社会システムが改変させられるので、どんな社会像なのか、ご説明いただきたいと思う。2013/03/09