内容説明
なぜ米国が「科学の覇権」を握ったのか? 福島原発事故を世界の科学者はどう見ているのか? 一流科学者も嵌った捏造・盗用・擬似科学の罠とは? 世界に君臨する二大科学誌「ネイチャー」「サイエンス」を舞台に、科学者たちが繰り広げる熾烈な競争の現実から、なぜ科学力が日本の興亡の鍵を握るのかを読みとく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
30
ネイチャーとかサイエンスとかの学術的な雑誌に連動する科学の進歩を書いたもの。しかしかなり福岡伸一氏の本で見たようなエピソードが多かったけような気がする。ネイチャー、サイエンスのような雑誌に載るのも大変だなと思った。2012/04/19
HMax
22
タイトルに偽りあり。ネイチャーとサイエンスの違いを軸に、科学的思考をしましょう、という話し。それにしても、40年ほど前は、高校生の9割が物理を履修していたのに、今では3割というのはどういうことか?英語教育よりも科学教育を充実する方が大事です。素晴らしい翻訳ができるAIを開発するほうがよっぽど良い。小ネタ:今の日本物理学会誌の創刊が1877年とサイエンス(1880年)よりも早かった!ワトソン・クリックの陰にロザリンド・フランクリンがいたことを忘れないで。2019/03/30
zoe
19
2011年。資源の無い日本をどの様に立国すべきとかつて言われていたのか、恐らくこれからも、それは科学技術ではないのかと改めて思う本。エネルギーを考える。原発の活用を考える。ネイチャー・イギリス・寛容であり議論に上げて将来否定されてもよくそれが科学の発展とする。でも商業誌。サイエンス・アメリカ・合理的で手堅い科学サロン的。科学は実験データによって反証可能でなければならない。ノーベル賞に情報通信分野がない。英語で沈む日本人。益川先生のように、専門は日本語でおおいに議論し、専門通訳者を利用する。自国語は大事に。2022/04/03
スプリント
12
科学雑誌はニュートンでも手一杯ですが、かの有名なネイチャーとサイエンスの特色がよくわかり為になりました。巻末の対談も内容は興味深い。2016/10/25
naji
8
英国の『ネイチャー』と米国の『サイエンス』の成り立ちが、よくわかる。我が国は先進国の中で、科学への関心がとりわけ低いのだそうだ…。確かに、自分も本書を開くまでは、その立ち位置であった!!なかなか納得する事が多く、特に科学者も一人の人間なんだと感じた。国家の興亡を賭けて競争を繰り広げたり、論文の盗用・捏造または、擬似科学とは何ぞや等々が綴られていた。最後に、福島原発事故についても述べており、まとめると情報に対し常に中立的位置から、物事を判断していく必要性が求められているのかな…。2014/06/07