内容説明
国は壊れる時、どんな音がするのだろうか? 人はどのような姿をさらけだすのだろうか? 1991年12月26日、ソ連崩壊。不動だったはずの超大国は呆気なく自壊した。有能な官僚たちも、巨大な軍隊も、秘密警察もイデオロギー教育も、崩壊を防ぐことはできなかった。弱くなった日本はソ連の道を辿ることはないのか? 外交官として渦中におり、「国家は悪ではあるが必要だ」と確信した佐藤優に宮崎学が斬り込む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
66
なぜソ連という国家が消滅したかがとても分かり易く説明されていて、そうだったのかと呻りました。また、元ソ連の中央アジアについての記述が興味深く、この地方を舞台にした小説に触れて見たくなりました。確か、『打ちのめされるようなすごい本(米原万里)』で幾つか紹介があって読みたい本にも登録していたので、優先度を上げようと思ってます。2019/07/20
gonta19
61
2011/12/22 Amazonより届く。 2014/8/3〜8/19 佐藤優氏によるソ連崩壊の裏側。いやあ、凄い修羅場をくぐり抜けてきた人だ。ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンらの人物評も面白い。ニュースを追うだけではわからない、現場に居た凄みが感じられる。国家とは何か、政治、政治家とは何かを考えさせられる。必読の書。2014/08/19
ntahima
38
二十世紀と言えば良きにつけ悪しきにつけ社会主義という壮大な実験が繰り広げられた時代。当時、ドイツに居た私は本社から送られれてくる新聞や雑誌を舐めるように貪り読んだ。但、悲しいかな木を見て森を見ず。個々の事象は知り得ても凡人にはソ連崩壊へ至る全体像は把握し得なかった。二十余年が過ぎあれが何であったかを振り返るには良い頃合だと思い本書を手に取る。ゴルバチョフとエリツィンのイメージが鮮やかに反転する。やや不謹慎だがイデオロギーとは別次元の連邦内幕話が興味深い。ところで佐藤優と落合博満が似ていると思うのは私だけ?2013/12/15
ichiro-k
17
著者が「前職では優秀だった」と自惚れるほどインテリジェンスを感じない内容。「国策」で外務省から追い出された、と訴えているようだが、職務としての情報が「バイアス」が掛かっているので、組織から役立たず(無能)と評価され、その上、身の程知らずにも胡散臭い政治屋とつるんでスタンドプレイに走り、「飛んで火にいる夏の虫」とばかりに潰されたんだろう。ソ連の崩壊の経緯は、司法・行政・立法・国民が腐ればどこの国でも起こりえる。日本よりも中国の近未来。2012/01/20
C-biscuit
16
図書館で借りる。佐藤優氏については、東洋経済でも愛読しており、著作も面白い。この本は、同氏が外交官としてソ連崩壊の現場にいた記録であり、宮崎学氏の勉強会で講演した記錄とのことである。そもそもなぜソ連が崩壊したのかなどは、自分には分からない世界なのであるが、リアルにその場にいた佐藤氏の説明を読むと、国家や主義を含め歴史を深く知らなければ、絶対に理解できないと改めて感じる内容である。特に神学というものの強さを感じる内容であり、西洋の文化、歴史の理解が必要である。このような外交官が世界で活躍していると思いたい。2018/11/10