内容説明
私は生活費を稼ぐため警備員になった。作家と警備員の二足のわらじを覆きながら、慣れない仕事に悪戦苦闘の日々が続く。どこか常識の欠落した警備の仲間たちに振り回され、仕事を辞めようかという矢先、私の前に「師匠」が現れた―。警備員の織りなす奇妙奇天烈な群像劇。傑作「軍艦武蔵」の著者が、実体験をもとに書き下ろした警備員小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
31
警備業2年間の体験日記である、仲間との人間交流と警備業界について書かれているが作者の勤務した会社は大手で恵まれた職場環境、通常はもっと劣悪な環境で働いてるのが多いのでは、駐車場、建設現場、イベント会場と場所が一定せず、夜勤もあり、仕事のない日も多かったり、そして最低賃金で働いてるのが実態だと思う。2017/09/23
遅筆堂
24
職場の宿直は警備員。みな礼儀正しいし一生懸命。けれども、この日記に出てくるような様々な人生を背負った人たちもいることも事実だろう。なれの果てみたいなイメージもあるが、そこにはプロ意識を持って取り組んでいる方もいる。師匠も良かったが、再就職を果たした芝田さんがいいな。何事にも一生懸命やれば報われるということ。日常生活の中で、気にしなければ埋没してしまいそうな警備員だが、この本を読んでからその姿を見ると、いろいろな荷物を背負っているのだろうなと人生の裏側に思いを馳せてしまう。頑張ってくださいと応援したくなる。2012/01/28
ちゃんみー
16
作者が師匠と呼んでいた気概を持って仕事に励む人は、どの世界にも居るんだなって。警備の仕事も突き詰めたら凄いのかもしれない。その反面、自堕落な生活をして警備の仕事をしている人も確かにいるんでしょうね。2012/09/19
makka
13
図書館で見かけてなぜか手に取った出会い本。小説化である著者が生活していくために選んだアルバイトが警備業。出会ったのは会社から弾き飛ばされた落伍者ばかり。あまりの過酷さに辞めようと思った矢先、現場で師匠と出会い警備の面白さを知る...。ただし、この本は小説というよりルポですね。東京五輪の建築ラッシュや本番では警備員がいなくては成り立たないし、これから始まる「一億総括役」の名の下に、全ての老人達を労働させるための最大の受け入れ業界になるでしょう。うーん、自分も定年後は年金で楽隠居できないだろうし...2016/11/24
ちょこちん
11
★★★☆☆ 今日もお疲れ様です。2021/09/13