内容説明
<軍司令官が、戦場で目の前の敵に勝つためには、ゆっくりと考えているだけの暇は与えられはしない。戦争指導者も、将軍も、常に不十分な時間内で、次々と決心をしていく他はないのだ。なぜなら、敵もこちらを出し抜こうとしてすでになんらかの行動を開始しているのであり、まごまごしていれば、わが陣営はとりかえしのつかぬ不利を喫するからだ><戦略には、「精神的要素」「物理的要素(有形の戦力、ことに異兵種の混合編成法)」「数学的要素(統計表化できる補給や補充)」が、いずれも分かち難く関与する。このうち精神的なものは物理的なものよりも大事である。剣でたとえれば物理的要素は柄の部分にすぎず、精神的要素こそが刃の部分である>……「誰もが知っているが、なかなか読めなかった」古典の名著『戦争論』。そのエッセンスならびに、あらゆる組織における指導者の決断とリーダーシップの勘所を、わかりやすい新訳で現代の読者に提供。
目次
第1部 戦争の性質<br/>第2部 戦争の理論<br/>第3部 戦略概論<br/>第4部 戦闘<br/>第5部 戦闘力<br/>第6部 防禦<br/>第7部 攻撃<br/>第8部 戦争計画についてのノート
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朧月
4
古典的名著、らしい戦争について書かれた本。 編集者の注記がところどころに挿入されており、非常に読みやすいです。 この手の古典は当時の状況など、周辺事情が分からないと意味が伝わらないような不安があるものの、そうした歴史的背景について、丁寧に解説されているのが特に助かります。 内容的には現場主義である著者の熱い思いが伝わってくる内容。 当時の歴史と戦争の関わりも分かり、面白かったです。 ただ、話題があちこちに飛んでる感じがする部分は読みづらかったです2014/01/04
ひ※ろ
1
★★★☆☆2014/03/21
taskun
1
文体の癖が強く、また訳文と同じくらいに作者の解説が入り、そのノリについていけなければ読み通すのは困難かも。もう少し一般向けに客観的に書いてほしかった。スイスの軍事学者ジョミニの名前は『戦争論』の中であっさり1度しか出てこないと書いているのに、訳文の中で何度も「ジョミニ氏」と書いた上「(クラウゼヴィッツの)心の中の叫びはかくの如しであります」などと解説しており、著者自身も超訳と云っている通りどこまで原典に忠実な訳なのかあやふや。2012/01/02
阿佐木 零
0
とっかかりとしては良い本だと思う2016/01/11
Shinsuke Mutsukura
0
「全部、やられてんじゃねーかよっ!」って感じですね。 最初は現代にはマッチしないと思ったのですが、読んでいくにつれて納得することがたくさんありました。戦国時代ばっかりテレビドラマでやってますが、あれらの戦争も基本はこれなのではないかと思います。 それと欧米の連中の思考過程がこれなので、対抗するためには必読となりますね。 これは他の訳者のものも読んでみたいと思いました。2016/01/03