内容説明
案外芯の強い野心家の女(桐壺の更衣)、面白くもなんともない女(夕顔)、やんごとないブサイクな姫君(末摘花)、源氏物語随一の恋愛体質女(朧月夜)、自分の魅力を知りつくした賢女(空蝉)、欲張りだからこそ自己主張しない女(浮舟)──源氏物語全54帖のエッセンスを女性像から読み解く。セキララで冷徹な源氏物語キャラクター論に、当時の時代背景がわかるコラムを収録。誰が一番賢女だったのか? 女子目線でわかる源氏物語!
目次
第1部 源氏物語のしたたかな14人の女たち(桐壷の更衣―案外芯の強い野心家の女;夕顔―面白くもなんともない女;藤壷―か弱いだけの女じゃない、マザコン男に好かれる女;若紫―源氏のロリコン心に火をつけた、いたいけな幼女;末摘花―やんごとないブサイクな姫君 ほか)
第2部 紫式部に秘められた謎(「紫式部」誕生のきっかけ;紫式部の恋愛遍歴;『源氏物語』を書いたきっかけ;紫式部の引きこもり;嫉妬の的となった紫式部? ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kikuyo
24
読みながら源氏物語の場面々々を思い出す。それぞれの女性の立場に立つと、また味わい方が違ってくる。もう一度物語の世界に引き込まれて楽しかった。 紫式部が、様々な人物に自分を投影していたこともわかり興味深く読めた。美女ではないけど空蝉が好き。2018/07/31
なお
17
源氏物語を女性目線で書かれていて、読みやすい。紫式部の説明もあって興味深く読んだ。2016/08/30
びっぐすとん
16
108円本。『源氏物語』の女性論。この手の本読みすぎてあまり新鮮味がなかった(著者のせいじゃない)。昔読んだ『やんごとなき姫君たちの~』シリーズに比べると「うひや~」というエピソードはないけど、官能に関する部分では表現が桐生さんらしかったかな。それより引用されてる瀬戸内訳の『源氏物語』のエロいこと!(円地訳しか読んでない)。流石寂聴さんだ。このニュアンス通りだとしたら、薄暗い寝殿造の几帳の影でこれを貪り読んでた菅原孝標女は中学男子と一緒だ!出家しか自由になる道がなかった女に遅れをとる源氏って煩悩の塊だな。2019/05/12
和希
14
読みやすいが、目新しさはない。桐壺の更衣がしたたか、くらいか。改めて紫の上は出来た女性だと思った。しかし私は花散里のような女性になりたいと思う。2014/09/02
viola
8
あんまり桐生操っぽくない書き方。ライトで読みやすい、というのは変わりません。逆にいえば、深さはないのですけれど・・・・。源氏物語の女性登場人物にスポットを当てた、エッセイ調なヨミモノ。2014/02/26