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内容説明
私たちの体を構成する細胞の中で、日々、劇的な変化、大規模な「リサイクル」が起きていることが分かった! からだをつくるタンパク質で言えば、食事を通して摂取する実に3倍もの量のタンパク質を毎日、分解しては、また新しく合成していたのである。こうした細胞内で起きている主な分解方法が、オートファジーである。オートファジーは、細胞内を毎日、きれいに掃除しては、その中身を新しいものに置き換える、重要な働きをしていた。これで、たとえば、シロクマが何日も食べなくても生きているわけがわかった。食料がなくとも、自分の細胞の中のものを「食べて」いた!なぜこうした仕組みが備わっているのか、この仕組みはからだの成長や老化、病気や免疫とどう関わっているのか。いまやオートファジーは、生物学者や医者たちから熱い注目が寄せられている生命現象である。従来の生命観を大きく変える、オートファジーのホットな話題を提供する。
目次
第1章 オートファジー、細胞内の大規模分解系<br/>第2章 酵母でブレークしたオートファジー研究<br/>第3章 自分を食べて飢餓に耐える<br/>第4章 細胞の性質を変えるためのオートファジー、発生と分化<br/>第5章 細胞内を浄化するオートファジー<br/>第6章 相手をねらいうちする「選択的オートファジー」<br/>第7章 免疫系でも活躍するオートファジー<br/>第8章 オートファジーの研究最前線
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
71
YouTubeで「オートファジー」なる言葉を耳にして、読んでみる気になった。細胞内で起こっている自分で自分を食べるという現象。それは飢餓状態で起こり、アミノ酸を作り出したり、細胞を綺麗にしたりする。細胞内の不良ミトコンドリアやゴミや細菌を食べたりする。専門的で理解出来ないところもあるが、生命の神秘に触れたような気がする。この研究が様々な病気の解決に繋がりそうだ。食べ過ぎは良くないらしい。2020/11/08
C-biscuit
21
kindleアンリミテッドで読む。大隅良典名誉教授がノーベル賞を受賞した。素晴らしいことである。この本は受賞の研究成果であるオートファジーについて書かれた本であり、世界初の一般書のようである。大隅氏が書いたわけではないが、弟子のような方が書いているので、大隅氏の成果がいたるところに出てくる。少し古い本なのであるが、当時も論文の本数が年間400本を超えたとのことがあった。現在は5000本となっており盛んに研究されているのがわかる。今後大隅氏の話も含め、もっとわかりやすい本が出るとも思われるので読んでみたい。2016/10/04
マルレラ
15
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー研究」。受賞者である大隈良典先生と共に研究してきた愛弟子・水島昇先生が「オートファジーの仕組み」ついて分かりやすく解説した本。 オートファジーは栄養飢餓に応答して誘導される細胞内の分解システムの一つで、真核生物特有の現象です。自分自身、オートファジーに少し関連する研究を行っているため、オートファジー研究の歴史を学ぶ意味で本書を読んでみました。オートファジー研究はここ数年で急速に発展してきた分野で、まだまだ未解明な部分が多いことを実感しました。2022/01/29
鯖
14
トリコで知ったオートファジー。大隅先生ノーベル賞受賞おめでとうございます。幼虫、さなぎ、成虫へと変わる昆虫の変態もオートファジーと知って、なるほどなあと驚いた。自分の身体の中のタンパク質を分解し、饑餓を生き延びる仕組みやタンパク質を分解する過程で、微生物やウィルスも分解することで、細胞をリサイクルし、きれいにする浄化作用も持つ。面白かった。後、オートファジーをちょっと知っただけで、コラーゲンの経口摂取が無駄だと分かるので、とてもいいんじゃないだろうか…。2016/10/30
Tenouji
13
細胞のリソソームの機能について、詳細にわかってきた結果なんだぁ。そして、基本機能だけに、様々は細胞活動と関連してるんだ。あらためて、面白いな生物というのは。2017/02/15
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