電化文学列伝

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電化文学列伝

  • 著者名:長嶋有【著】
  • 価格 ¥544(本体¥495)
  • 講談社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784062771108

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内容説明

作品中の家電製品の描かれ方を軸に文学を語る、新しくて深い書評エッセイ。小川洋子『博士の愛した数式』のアイロン、吉田修一『日曜日たち』のリモコン、花輪和一『刑務所の中』の電気カミソリなど、作家が作品世界をどう構築するのか、その秘密が明かされる。書き下ろし短編小説、「導線」収録。『電化製品列伝』を改題。(講談社文庫)

目次

川上弘美『センセイの鞄』の電池
伊藤たかみ『ミカ!』のホットプレート
吉田修一『日曜日たち』のリモコン
柴崎友香『フルタイムライフ』のシュレッダー
福永信「アクロバット前夜」のマグライト
尾辻克彦「肌ざわり」のブラウン管テレビ
映画『哀しい気分でジョーク』のレーザーディスク
吉本ばなな「キッチン」のジューサー
生田紗代「雲をつくる」の加湿器
アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』の電気毛布
小川洋子『博士の愛した数式』のアイロン
干刈あがた『ゆっくり東京女子マラソン』のグローランプ
高野文子『奥村さんのお茄子』の「オクムラ電機店」前編
高野文子『奥村さんのお茄子』の「オクムラ電機店」後編
栗田有起『しとりどり』のズボンプレッサー
映画『グレゴリーズガール』の電動歯ブラシ
花輪和一『刑務所の中』の電気カミソリ
川上弘美「夜の子供」の電気掃除機
長嶋有「猛スピードで母は」の電子ジャー
「ジャージの一人」の電子レンジ
「瑞枝さんの原付」の電気アンカ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくでなし@ぐーたら中

17
70点 困る。そのコアな目線で、隙間的発着地点から、そこはかとなく文学によりそった書評エッセイ。電化製品登場シーンにのみスポットをあて、一種偏執的着眼より導き出される作品の魅力。上がるコノホンキニナル値。ただ紹介されるよりこのまわりくどさに10倍はヤラれてしまう。氏のスゴさは、常人が漠としか捉えていない思いを、サイズぴったりな表現で的確に語ってしまう処にある。そこに共感しその親和性が妙に嬉しいのだ。ドサクサで自著を薦めるトコなんかにも好感。結果、ハイ読みたーい、ハイ積読増加っと。本っ当に困るのだ。(深刻)2014/03/08

とし

14
電化製品から文学を語ったユニークな作品でした。小説を読んでいて、電化製品に目がとまることはまずありませんね。さすが長嶋さん、おもしろい視点で語っています。収録作にセンセイの鞄や博士の愛した数式がありました。電池にアイロン、そのようなものには気づきませんでした。書評というと堅苦しいイメージ(実際堅苦しいが)で素人にはわかりづらく、なんかわかったようなわからないような感じを持ちます。本作品のように電化製品という日常的な製品にスポットを当てると親近感が湧き、紹介されている作品を読みたいという気持ちになりました。2015/10/29

さつき

11
面白かった! 長嶋有の小説はほとんど未読なのですが、今後読んでいきたいとすごく思いました。生理用ナプキンのCMが何十年も安心と言い続けるのと電動シェーバーが何十年も剃り残しなしと言い続けるのは本質的に同じということに対する気付きと、描き下ろし短編の冒頭での「男が自分の体を綺麗とほめるとき比較対象は他の女ではなく男全般であり、綺麗と評されるのは自分個人ではなく女全般」という気付きはすごく近いものだと感じたのですけど、そういう視点の持ち方をできる人の本が面白くない訳がないと思う。この短編かなり好きです。2012/03/19

ゆっ

8
電化製品は書かれている小説等の書評集。観点が凄い。2015/08/31

sawa

7
★★★★☆ 小説(一部マンガ、映画)に登場する電化製品がその作品にどのような効果を生み出しているのか?というユニークな書評集。家電という時代の移り変わりが顕著であるものを敢えて登場させる。家電一つにしてもこれだけ考えられているということは、つまりそれだけ意識的に書かれた作品だということ。そういう作品が知れるというだけで、これを読む価値がある。解説が豊崎由美。2011/12/30

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