内容説明
「お前の婚約者候補だ!」世界に名を成す大財閥の長にして父の十慈郎から、五人の美少女を前に突然そう告げられた遠々原節は、その次のセリフに戦慄した。「この娘たちは、お前のことを殺したいほど憎んでいる」クソ親爺はさらに続ける、「だが、この中にお前を愛する娘も一人いる」その娘を選べなければ待つのは破滅……しかし、手段も所も構わず繰り広げられる彼女達の求愛に、理性を保つだけで精一杯!? 魅惑のデッド・エンド・ハーレム開演!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
14
5人の婚約者候補は、皆自分のことを殺したいほど憎んでいる。しかしこの中に1人だけ、自分のことを心から愛している者がいる。そのたった1人を見つけ出せば、勝利となる。 失敗すれば即自らの身の破滅へと直結するゲームに身を投じることとなった少年の物語。 結構薄情なところが多く打算で動く場面が多く見られる主人公の言動にはやや感情移入のしにくさがあったものの、ストーリーとしてはなかなかおもしろい。5人の婚約者のそれぞれのアプローチはハーレムラブコメっぽさが全面に出た雰囲気だが、一殻破ればそこはもうどろどろサスペンス。2014/04/27
タカユキ
12
ハーレムラブコメだけど、腹の底では本心の探りあいという中々面白い展開ですね。言動の裏を読みながら本心を推理するもよし、表面上の態度を眺めてニヤニヤするもよし。読み手の好きなように楽しめる、良い構成なんじゃないでしょうか。2011/10/29
1_k
11
ハーレムモノは数あれど、きちんとした理屈と必要性の整った設定では本作を超えるものはないかもしれない。複数ヒロインの本音を探るミステリー展開に、どうやって一冊でまとめるのか心配になったが、きちんと本巻ではヒロインひとりに絞るという手堅い方法が用いられた。おはなしの手綱をとって操るのは傍で見るほど容易ではない、振り回されてしまった結果の駄作が多い中、作者の力量に感服できる一冊。続巻を熱望。2011/11/10
とわとわ
11
ハーレムに見せかけて、自分を殺したいほど憎んでいる女性たちに包囲されている状態というのが面白い。好奇心を刺激される。これは絶対続きを読みたい。出たら買います。疑問点や推測憶測は、コメント欄に書きます。ネタばれにならないように書き直しましたが、念の為、未読の方は読まないで。2011/11/05
カインズ
11
【人間不信になるハーレム】5人中4人の婚約者候補に憎まれており、本当に自分を愛してくれている1人を主人公が見つけ出さなくてはいけないお話。表向きは、典型的なハーレムでありながら設定上その裏側を考えなくてはいけないというのが新鮮だった。ただ、御前と主人公に血縁関係が無いこともあり、憎まれている理由が弱い。別に主人公が直接女の子に加害行為を行ったわけでもないので、殺したいほど憎んでいるというのは、少々無理があるように感じた。後半の主人公の情に流されない徹底した女の子の発言に対する裏の取り方は、見事であった。2011/11/01