内容説明
『瞼の母』『一本刀土俵入』『日本捕虜志』などで知られる明治生まれの大衆作家・長谷川伸。終生、アウトローや敗者の視線を持ち続け、日本人のこころの奥底に横たわる倫理観、道徳感覚に光を当てた。その作品を読み直し、現代の日本人に忘れ去られた「弱者へのヒューマニズム」「含羞を帯びた反権力」の生き様を考察。
目次
『夜もすがら検校』と『沓掛時次郎』
『瞼の母』
『一本刀土俵入』
武士道、町人道、任侠道
仇討
ごろつき
神ではなく人間を信じた
『日本捕虜志』
「たたかい」とは何か
義理と人情
埋もれた人々を掘り出したい