内容説明
宇宙飛行士もそう言った! ずっと教科書にも書いている! ヨーロッパ人も数百年間絶賛! ――で、本当のところはどうなの? 必要以上に巨大な「中国人の想像力」に肉薄する、長城伝説の図像学! 中国人宇宙飛行士が「見えません」と会見で答えたら、中国全土が大騒ぎ! 教科書問題が勃発し、なぜか歴史的事件になってしまった「長城騒動」の顛末を追いつつ、日本人もヨーロッパ人もダマされていた「長城伝説」を縦横に検証。
目次
はじめに いいえ、見えません。でも…
1 二〇〇三年、“長城騒動”勃発す
2 西洋人が積みあげてきた“偉大なる壁”
3 “月から見える長城”の誕生
4 月の人・運河・長城…
5 中国の“月と長城”
6 見える?見えない?見せましょう!
7 「長城のレンガ」で学校は大騒ぎ
8 “月から見える万里の長城”の正体は?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
45
結論が先に書いてある。それも「はじめに」のサブタイトルに。1冊丸ごと、月から見えるという説をめぐっての、歴史的経緯と騒動について網羅した本というべきでしょう。見えるか見えないかではなくて、人々がどのように捉えて、思いを寄せたかの方が重要ということ。国の威信までが関係するとなると、これはちょっとどうかと思う。宇宙的ロマンより、地上の現実を見ないと。2018/10/08
あつ子🐈⬛
12
「いや見えんのかいッ」との結論から始まって、なぜその様な誤解が生まれたかの考察が続きます。退屈するかと思いきや、とても面白かった。愛国心、認知バイアス、科学と非科学、中国史、深い深いぞ。実際私も月から万里の長城見えると思ってましたしね…ふふ。 「万里の長城(グレート・ウォール)は、月から見える唯一の人造物である」とぶったニューヨーク・タイムズは大いに反省すべし。宇宙好き、世界史大好きな諸兄姉に特にオススメです。2024/03/09
臓物ちゃん
6
答:見えません(おわり)なんだけど、どうしてそんな話が信じられるようになったのかを執念の如く調べ上げた快書。昔は火星からでも見えると言われてたそうな(おいおい)。なかでも面白いのは、教科書に見えると書いてあるのに「見えません」と解った時の中国教育界の大騒動。他の国なら子供は誤りを積極的に指摘すべきなんだろうけど、中国だとそれやりすぎると文化大革命になっちゃうものな。2015/02/04
yyrn
6
いつのころからか言われ始め、今でもそうだと信じている人たちが大勢いる「万里の長城は宇宙から見える唯一の人工物である」という戯言を、古今東西の文献から、なぜそんなことを人々は言うようになったのかを(皮肉を交えて)真面目に解説している本。中国人をバカにしているのか、敬意を表しているのか、よく分からない。けど面白い。時間をかけ丁寧に掘り起した事実を紹介してくれる本は貴重だと思う。 2014/01/01
shamrock
6
最近言われ始めたのかと思ってたら、意外にも200年以上の歴史がある説だった。2011/12/14
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