内容説明
人生の達人、山口瞳。そのエッセイの魅力は、今も色あせない。私のライフスタイル・わたしの拒否権・いい酒場とは・私のウイスキイ史・探鳥の記・雑木林その他・祝辞・招宴・上座と下座・完全主義・時間厳守・ファッション考・トップ経営者語録ベスト5…。時に厳しく、時に揺れながら。本音で語る人生論。品性を大切に、しっかり背筋を伸ばして生きていきたいあなたに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シブ吉
46
本の帯に書かれていた「しっかりと背筋を伸ばして生きていきたい。品性を大切に、そんなあなたに贈るエッセイ集」に惹かれ、手に取った一冊。宣伝の仕事に携わっていた筆者が、新聞の書評欄担当者に出来たばかりの本をさしあげたところ、いきなり帯をはがし、丸めて屑籠に捨てた。いかにも書物を扱い馴れている人のやりかただった。でも、その帯は、私が作ったものであり、部長に三度も書き直しを命ぜられたものであった。私は、あやうく、「俺だって作者なんだぞと叫びそうになった。」の記述を読み、本の帯に「より愛着」を感じてしまいました。2013/04/29
bouhito
4
国立を愛した山口瞳。本書にも、繁寿司をはじめとして、国立の街が随所に登場する。遠藤周作のエッセイでは「塩酸ぶっかけてやろうか」という科白で登場する有吉佐和子が、この本では上座を男性に譲る淑女として登場する。同時代の作家の随筆読み比べというのもなかなかおもしろいかもしれない。2015/05/09
千利体
2
20111010 世代が違うので全く知らない人物だったが、それでも読みやすい文章に流石プロだと思った 感心するところ、納得出来るところ、男として羨ましいと感じるところもあり、一時代を戦い抜いた人なのぎ伝わってきた2025/05/09
Seagull
2
作家としての些事についてですけど、たとえば原稿用紙についてのこだわりなど。それと、永井龍男、梶山季之、吉行淳之介、向田邦子、色川武大などなど、個人的に好きな諸氏について語られる文章には当然興味を持って耽読しました。おそらく直行型の真面目な作家だったのだろうと思います。あくまで「あの時代にしては」という前置きはあるにせよね。 2012/12/18
Tasuku Seo
1
人に迷惑をかけずに粋に生きるには、みたいな本。粋の基準は山口瞳さん(♂)なので、非常に個人的なスキ・キライの本といえると思う。 P23「パーティーに出てくる女性はみな美しいのであるなぜならば~略~彼女たちが美しく見せようとしているのであるから、こちらも、それを美しいと思ったほうがいい。すなわち、礼儀作法とは非常に演技的なものであると私は思う。」 P58「(きれいにお酌されたら)惚れちまうね。惚れないまでも、いい気分になる」 P170「(満員電車の女の髪が近くにあると)いい気分だ。口笛を吹きたくなる」 2020/10/24