内容説明
日頃何気なく使っていても意外に知らないことばかり。日本語にまつわる珍問・奇問・難問に言葉の達人がお答えします。ニホンとニッポン、どちらが正しい? 形容動詞はなぜ冷遇されるの? 当て字の歴史は? 日本製の漢字(国字)の数は? 日本語の音はいくつ? あらゆる文献を渉猟し国語学者も顔負けの博覧強記ぶりを発揮、著者一流のユーモアも駆使した日本語読本の決定版登場。
目次
ことわざ・格言は古くさいか
親切過剰の掲示の不思議
ニホン、ニッポン、どっち?
「…的」の的確的使い方は?
四大美人とはなぜいわないの
他人のパンツでレスリング!?
謙譲語「申す」と丁寧語「申される」
紋切り型をどう思いますか
「より」と「から」正しいのはどちら?
「一番最初」「いま現在」は間違いか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
48
「他人の褌で相撲をとる」を通訳して、「他人のパンツでレスリングをするな」と、とっさに直訳したが誤訳でしょうかという質問に答えて、それが実は最も正確な訳ですとは!或いは「他人が尻を拭いた紙で鼻をかむ」だとか(笑)。「濁点はなぜ二つなのか?なぜ右肩につけるのか?」「組織名に『さん』をつけて呼ぶのは誤りか?」「『…ちゃんのばか』は『…ちゃんはばか』が正しいのではないか?」などの難問奇問に対して、様々な文献を渉猟しつつ、簡にして要を得た明快な説明はお見事としか言いようがありません。たいへん勉強になりました。2016/06/10
真香@ゆるゆるペース
44
実家本。井上ひさし先生、お初です。毎日何気なく使っている日本語にまつわる珍問・奇問・難問への、ユーモアに富んだ回答。日本人の自分でも知らなかったこと、新たな発見をしたことばかりで、まだまだ勉強不足だなと痛感… 日本語って世界の中でもかなり難しい言語と言われているだけにすごく奥深さを感じるし、もっともっと勉強してみたいという気持ちになる。英語の重要性が叫ばれるようになって久しいけれど、日本人としての誇りを持って、自国の言語を知ることも大切なんじゃないのかな。2019/03/31
壱萬弐仟縁
18
脚注もあるのは助かる。 一般人(その道のプロを含む) からの質問に著者が答える形式。 暮しを低く、志は高く(15頁)。 風樹文庫やワーズワースを想起する。 シンクレア・ルイスの名言を パロディにして日本人を揶揄したのは 痛烈(19頁脚注)。 自省したがあんまりあてはまらない のが非日本人的わたしか(苦笑)。 より、と、から、では、よりは格調、 からは口語という説明(52頁脚注)。 なるほど。 シッチャカメッチャカは昭和40年代前半、 大橋巨泉氏が流行らせたとのこと(60頁)。 今でも年配の人はよく使う。 2014/10/01
風柳
15
ゆる言語学ラジオとか好きな人は面白く読めると思います2022/04/22
OHモリ
13
日本語に関して「これは如何なものか?」と問われた質問に対して、井上氏がかなり真面目に調べたり考えたりして答えている印象で「なるほど」と日本語に興味を持って好きなる本だ。「日本語は乱れてるんじゃないか?嘆かわしい!」的な感じでエラそうに質問者に対して「まあ、それもありなんじゃないですか」と答えるのが井上流なのかなと思う。質問者の了見の狭さがそれとなくたしなめられて、井上さんのというか日本語の度量の大きさが語られてるとさえ感じる部分がけっこうあって痛快でうれしかったりする。語り切れない感想はブログで↓2020/03/20