内容説明
『銀河鉄道の夜』『雨ニモマケズ』などで知られる国民的作家・宮沢賢治。その作品は豊かな彩りをもち、見る角度によって姿を変え、異なった趣を見せます。
本書はそんな賢治の作品から、作家で人事コンサルタントである著者が、さまざまな味わいをもつことばを選び出し、見出しをつけ、解説を書きました。
『雨ニモマケズ』の印象から賢治は強く賢い人だったと思いがちですが、私たちと同じ弱さを持った人間だったのです。
賢治が執筆したものは、賢治にとっても指針であり目標であったのですが、これからの我々にも道標となるのではないでしょうか。
時を超えて心にしみる賢治のことばを味わってください。
目次
第1章 祈る(苦しむ人に手を差し伸べる すべてをかけて悼む ほか)
第2章 励ます(みんなの幸福を願って生きる 正しく強く生きる ほか)
第3章 求める(これみよがしのふるまいはするな 計算ずくの「大人の知恵」はいらない ほか)
第4章 夢見る(わたくしという存在の意味を探す 虚無を見すえて心やさしく生きよ ほか)
第5章 物語る(風から光から美しい物語をもらう わらべ歌の心を楽しむ ほか)
第6章 愛する(淡い恋心を雲のかなたに託す 風に舞う桜に思いを寄せる ほか)
第7章 悟る(どう生きたかで判断する 自分を突き放し静かな風に憩う ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
14
解説本。なんとなしに読んでみたが、宮沢賢治は解説されたら駄目なんだな。間違ってはいないし、そんなに違和感はないのだけど、感覚的に感ずるものを文章として読んでしまうと、宮沢賢治の世界観が味わえないだな。2013/08/25
彼岸花
6
言葉の断片だけを読んでも、賢治作品は奥が深いので理解は難しいのですが、最後に、賢治のような作家は他にはいないと本田さんが断言されているので納得です。それでも私にとって、賢治の心をわが心とするには、まだ時期尚早でした。2018/05/17
にいにい
2
心に残る宮沢賢治の言葉に適切なコメントが、秀逸。2013/01/29
ロバーツ
1
宮沢賢治のアンソロジー。特に詩集から採られている言葉が心に沁みる。2021/07/31