内容説明
「戦争の教訓」は第二次世界大戦ではなく第一次世界大戦にあった! トルコはなぜEUに入れない? 「アンチ・グローバリゼーション」へ向かう世界潮流とは? 社会人を含めて聴講希望者が多く講義録の刊行が待たれていた授業が、満を持してこのたび、書籍の形で世に出ることになった。解説学問に成り果てた従来の国際政治学の枠組みを超えて、日本の国家像と戦略を指し示すことで、「世界と日本の見方」がクリアになる一冊。ゆとり教育で学ぶ世代が増え、日本人自身が世界はもちろん、「日本の見方」さえわからなくなっている現在、本書はそれらを知る絶好の機会といえよう。元となった京都大学での講義は「現代国際政治」と銘打ったものであるが、テーマは近代日本史から戦争の仕組み、革命の正体、世界秩序の構築といったものまで幅広く、読んでいて飽きさせない。さらに歴史の因果関係や国同士のかけひきを知るなど、大人が読んでこそ楽しめる授業内容である。
目次
はじめに 世界と日本の末期症状
第1講 戦争の仕組み
第2講 地上のどこにもない場所
第3講 幻滅の二十世紀
第4講 アングロサクソンとは何か
第5講 「一超多強」の世界
第6講 日本文明が生き残るために
おわりに 地球市民社会は出来上がるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
15
世界のフラット化(グローバル化)はいずれなくなるという見方が印象的だった。ガラパゴスと揶揄されても辞めない日本が最終的に勝つか!?2013/06/17
Tommy おぢさん
7
なるほどねぇ~!大学での講義だけど分かりやすい。自分が学生の時に、このような講義を受けていたならば、もっと国際政治についての理解力も高まっていたのではと思う。当初は冷静に行っていた講義も、後半になると、著者の思い入れがどんどん前面に出た内容になっているのも面白い。東大紛争の頃の大学時代を思い出したのかな?優秀な先輩の話を読みながらも、自分も思いを馳せてしまった。夏休みの宿題、読書感想文は嫌いで、休みの最後の日に書いていたのに、今は自分から書いているのは何故と思わせた作品。図書館の本。評価:☆☆☆☆★2014/08/08
KiKi
2
読了してみてまず思うのは、「え? これがあの京都大学の講義??」ましてや「3回生や4回生も聴講生には含むレベル?」というのが率直なところでした。 何て言うか、「天下の京大にしてこのレベル??」と思っちゃった。 これが現代日本の知的文化レベルだとするとちょっと将来を危ぶんでしまいそうな想いに囚われました。 ただ逆に言えば、学究の道からは遠く離れてしまった社会人がとかく些末な部分に振り回されがちな現実問題から一歩下がってもう一度「現在」や「現在に至る流れ」を振り返るには非常に適しているテキストです。2013/10/21
Y.Terminator
1
小説と知識本をできるだけ交互に読むようにしてます。この本は2008年の大学講義を文庫化したものなので、日本がGDP2位から3位に転落するちょっと前に書かれています。当時の危機感が伝わってきます。この方の本を読むといつも知らないことの恥を感じてしまいます。私たちいろいろなプロパガンダに翻弄されて生きてますが、30年前のウソに未だ騙されがちです。 優秀な歴史学者さんは皆、公開された過去の各国の機密文書を読んで歴史を解釈してます。各国で機密文書を公開するルールがあるなんてスパイ活動にもモラルがあるんですね。2021/04/21
バニラ
1
これは勉強になった。2018/10/20
-
- 電子書籍
- ハッピーマリオネット 3 ヤングジャン…
-
- 電子書籍
- 厳つい顔で凶悪騎士団長と恐れられる公爵…
-
- 電子書籍
- 実らぬ純愛【分冊】 12巻 ハーレクイ…
-
- 電子書籍
- スプリンター(1) 少年サンデーコミッ…