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内容説明
放射能にもっとも弱いのは、細胞分裂が活発な子どもたちだ。低線量被曝は「ただちに」健康に影響は与えない。しかし、どんな低線量の被曝にもリスクがある。十年後、二十年後に後悔しないために、今、大人が知っておくべきこと、具体的に子どものためにできることは何か。できる限り子どもを被曝から守るため、反骨の原子物理学者と長年チェルノブイリ子ども基金に関わってきた小児科医が、原発の最新情報を踏まえて、事実をわかりやすく伝える必読の書。
目次
第1章 何があっても子どもたちを守らなくてはいけない
第2章 子どもと放射能の基礎知識
第3章 子どもたちが置かれた被曝状況
第4章 子どもたちの健康被害
第5章 子どもと放射能のQ&A
第6章 弱い人たちを犠牲にする原発というシステム
終章 原子力を終わらせるということ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽんくまそ
12
半年前に小出裕章氏の講演会場で買った本だが、なかなか手をつけなかったし、読み始めてもなかなか先へ読み進まなかった。読むと鬱になるからだ。これはぼくの悪い弱さだ。これは読まなければいけない本だ。2016/05/25
ぽんくまそ
11
再読。2011年原発事故の年に出版された意味を考える。思い出す。事故直後に、函館金森倉庫で集会があった。それまで原発に反対してきた人たちでさえ、原発から電波のように放射線がビビビとやって来ると誤解していることに驚いた。当時はTV新聞で内部被曝の恐れなど一言も言及されておらず、100人以上はいたであろう集まった人たちのうちセシウムやストロンチウムについて知っていたのは私一人だけかとも思った。ほとんどの人たちが放射能の本当の危険性を具体的に知らない時期に、科学者と医師が緊急出版した意義がある本だ。2021/07/28
壱萬参仟縁
10
さっき黙とう時間で図書館から帰ってきてラジオでやっていた。ちょうど家に着いた時間だった。ご冥福をお祈り。「小さい子どもほど、低線量被曝(少ない被曝)で晩発性障害の危険が高い」(24頁)。評者には不幸中の幸いで幼い子どもが居ないが、居ないにもかかわらず、怒りが込み上げてくる欺瞞的虚偽には我慢ならない。「怖いのは内部被曝」(55頁)。本著は中学生以下のお子さんをお持ちの親御さんが必読の文献といってよい。先住民に日本からの高線量の核のゴミを押し付けるなどというケースもあるというので(190頁)、文明人の恥だな。2013/03/11
ryuetto
6
「なぜ、子供だけは救わなければならないのか? 子供たちには、原子力を許してきた責任がないからだ」という小出先生の言葉に共感します。原子力を許し、核のゴミの危険性を知っていながら、その始末を子孫に押しつけてきた老人たちには、それ相応の責任があるのではないか? 私ももう、こんなことは繰り返してはいけないと思う。犠牲になるのは、いつも子供。同じ放射能を浴びても、年寄りよりも先に死んでいくのは子供たちなんだ。こんな理不尽な話があるか! 私も子供たちを助けたい。微力ながら、協力していきたいと思ってます。2011/10/16
Tomomi Yazaki
4
これは原発事故直後に、勇気ある原発研究者と小児科医によって綴られた受け止め難い事実である。政府・東電の過小評価による被害の拡大は子供たちに大きくのしかかり、日本国中の肉・野菜・魚介類はほぼ汚染されている。日本の魚介類を輸入禁止にした韓国を笑ってる場合ではない。日本人のみならず、海外からわざわざ観光に来ている外国人も原発事故の放射能の影響はないと思っているようだが、それは見えないだけで、今現在も確実に日本に居る人々の体を蝕んでいることを、決して忘れてはならない。2018/10/12