内容説明
俳句界の巨人が、俳諧の句を中心に芭蕉・子規ほか四六人の二〇〇句あまりを鑑賞し、言葉に即して虚心に読み解く。俳句の読み方の指標となる『俳句の作りよう』『俳句とはどんなものか』に続く俳論三部作。
目次
山崎宗鑑
松尾芭蕉
宝井其角
服部嵐雪
向井去来
宮城凡兆
宮城羽紅
江右尚白
浜田珍碩
内藤丈草〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃんondrums
21
いくつかの句をバッサリと一刀両断で批評したのが面白く、印象に残った。たとえ芭蕉の句であっても!頭でっかちの気取った句はダメらしい。「三十代になって女としてはそろそろもう老境に入りかけたというような女」って…そういう時代だったのね。2018/09/21
かふ
14
それまで俳句を作ることは感心があって実践しているのだが読むとなるとそうも行かなかった。鑑賞者の感性の違いで楽しめばいいとばかり思っていた。ところがどうも違うようなのである。オンライン句会なんかで自分が思う句と高得点を得る句の違いに気がついた。それだけなら良いのであるが、感想を求められたときに言葉がなかった。俳句は近代文学と決定的に違うのは場の文芸であるということだ。俳句の解釈について、岸本尚毅の解説は参考になる。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n4ce2aad5b2ab2022/07/05
shou
3
俳句解釈の手引き。何通りにも解釈できるものはよしとされないのか。十七文字の限界は作り手にも読み手にも難しく楽しい。「言葉つきで人間の品格が隠されぬのと同じことで、句の調子で自然にその品位は決まるのである」2015/01/30
うさぎさん
2
俳句に馴染みがない私が知るような有名な句も含む約200句について鑑賞する。俳句界の巨人に導かれながら、句の時間的・空間的幅に思いを巡らせる。端的な句を好む一方で、榎本其角を分からない部分があるがと断りながら彼の表現にある「感じ」を好評するように、様々な楽しみの可能性も示す。2022/02/11
ダージリン
1
俳句はさほど馴染みがないが、味わい方の一端を教えてもらった感じ。芭蕉の俳句がやはり良いと思った。硬質な乾いた雰囲気に凛としたものを感じる。一茶の句に見える反骨精神は意外であった。それにしても、たった十七文字でこれだけ情趣をかき立てる俳句が如何に奥深いものかを今更ながら教えられた。2016/08/24