内容説明
教科書に載った、あのお話のその後の物語……。初恋の話が教科書に載ったと話題になった「赤い実はじけた」。とつぜん、胸の中でパチンと赤い実がはじけて戸惑っていた綾子も、すでに30歳を迎えた。同じ学校で、同じ時間を過ごした同期生たちも、それぞれ別の道を歩きはじめ、みんな大人になった。30歳になった今、どんな日々を過ごしているのだろうか。結婚した人、独身の人。バリバリ働いている人、家庭に入った人。──10数年の歳月は、彼女たちにどんな変化をもたらしたのだろうか。カレへの想い、夫への想い、子どもへの想い、親への想い、さまざまな愛のカタチを、今と中学時代の思い出を交差させながら描く15のストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
50
前篇があることを知らずに読んでしまったので、教科書で取り上げられた中学生たちの事は、この中の言葉の端々で想像するしかないけど、三十路と言う微妙なお年頃と同級生たちの繋がりを見て、これは30代に限らず40代でも揺れる心を持って生きている・・・と確信してしまった。昔の仲間の消息を知ることで鍵をかけた心の箱のふたがパッカリあいちゃったり、また、思い出すことで少しだけ強くなれる心が生まれたり。これは男も女も関係ない気がする。私も中学の同級生とはもう20年音信不通。こういう作品を読むと無性に懐かしくなる。2012/07/14
おおちゃん
31
「赤い実はじけた」という本の続編みたいですね。国語の教科書に採用されてたみたいです。短い短編集なんだけど、ラストは繋がる・・みたいな。三十歳、人生のターニングポイントともいえる年代を描いた物語。2017/11/05
スケキヨ
30
「赤い実はじけた」の続編…と言っても前作、小中学生だった子が30才になった「今」を書いていて、ふとした時に当時を思い出す短編集なので前作を読まなくてもそんなに支障はないです。あの頃の友達が生きて、30才を迎える。私もあの頃「あの子は絶対こんな感じの大人になる」と思ってたのに現実はそんなに簡単でもないなぁって感じる事が最近増えたので沢山共感できました。でも「あの頃」を思い出す瞬間だけは等身大の自分に戻れるんですよね。良くも悪くも。「ボアボア神」と「ワイン色の復讐」が好きです。2011/11/18
太陽
17
まさに「赤い実世代」の私。続編が出たと知り手に取りました。淡い初恋から十数年。みんなそれぞれの思いを抱えながら大人になっていったんだなと思うと、私もかつての友人たちに久しぶりに会いたくなった。……同窓会したいなあ。2012/01/22
よしりん
13
前作があったんだ…。それを読んでないからかどの話もさらっとしすぎてて物足りなく心に残らないものだった。2016/06/27