内容説明
幕末の長州藩を縦横に走り回った高杉晋作は、時代を大きく旋回させて惜し気もなく舞台から去って行った。享年二十九――。一方で晋作は、厖大な手紙や日記、詩歌草稿を残している。手紙の相手は父母をはじめ、吉田松陰、久坂玄瑞、桂小五郎(木戸孝允)、山県狂介(有朋)ら、多岐にわたる。その行間からは幕末を生きた人間の生の息吹が伝わってくる。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たくろうそっくりおじさん・寺
6
漢文の素養の乏しい坂本龍馬と違い、高杉晋作の手紙は格調高い。しかししょっちゅう『あ』と『わ』を間違えるのは御愛嬌。全編侍らしい美意識を感じる。巻末のあとがきも面白かった。2011/09/20
momen
0
高杉晋作の遺した大量の手紙を抜粋し掲載した本。詩や短歌も少し収録。現代語訳がついておらず原文のままなので非常に読みにくいが、解説は手紙一つ一つについており内容や書かれた背景は何となく分かる。藩内でも方向性の違いによる対立が激しかったことや、藩士同士に加え様々な商人や町人の協力者ネットワークを利用して活動したことが具体的な名前を通して透けて見える。後書きは手紙の贋作について詳しく触れられており、贋作を作る専門家や贋作に気づかず展示する施設の存在がとても興味深い。2025/11/30




