講談社学術文庫<br> 世界史への扉

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講談社学術文庫
世界史への扉

  • 著者名:樺山紘一【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2014/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062920650

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内容説明

疫病が世界を一体化した。鎖国は一七世紀の世界的流行だった。歴史上には各地にいくつもの<ルネサンス>があった――。モノとヒトの組み合わせから世界史の同時性を探り、歴史学の内外で唱えられる新視角を紹介・検証する小論集。西欧の歴史を普遍のモデルとせず、多様性と日常性に着目しながら、現代の激動を解読する「歴史への感受性」を磨く。(講談社学術文庫)

目次

序 世界史をかんがえる
I 時代をよむ
智恵のリンゴは苦かった
人類文明の源流はどこに
古代の魅惑と偉大な教師たち
紀元前から紀元の時代へ
古代からのメッセージ
歴史における連続と断絶
中世というあいまいな言葉
南北と東西と
海をわたり異世界へ
海の世界史像をもとめて
希望を共有する世界
いくつものルネサンス
噴火と革命のあいだに
グローバル化時代の歴史叙述
世界史の同時性をもとめて
咲き競う首都の世紀
モンゴルの登場と世界史の同時代化
ヨーロッパの登場とその波紋
国際経済の大規模化と主役の交代
鎖国の大流行
最後の幸福な夢の時代
開国の機会を逃した日本
侵略の戦火と革命の嵐
通商条約のラッシュ
侵略と繁栄の世紀末
二つのおわりとはじまりと
見える歴史と見えない歴史
II 事件をよむ
世界史の悪しき同伴者・疫病
侏儒の王国──異形にやどる英知
踊り狂う集団──南イタリアの舞踏病
細菌学と公衆衛生
からだ、どう考えますか?
古代の百科全書派・プリニウス
ローマ帝国を襲った風雲児・アッティラ
悪魔伝説をもつ教皇・シルヴェステル二世
「カノッサの屈辱」
王妃アリエノールの舞台
ユーラシア大陸の旅人たち
世界史の荒波にもまれた知識人
冒険と挑戦
モザイクの小宇宙
バイユーのタピスリー
厄災が空から降ってくる
中世貴族の不敵な笑み
宮廷社会のよみがえり
広間の愉悦──一七世紀フランスのサロン
「聴く」から「書く」へ
神判・自力救済・追放──中世ヨーロッパの罪と罰
法の保護外の人びと──ヨーロッパのアウトロー
贅沢が世界をうごかす
戦争と条約のいたちごっこ
二つの植民地統治
第一回ロンドン万国博覧会──「万国博の世紀」の開幕
時間の短縮、空間の圧縮
学術文庫版のためのあとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mitz

4
世界史にはロマンがある。地理的にも時間的にも距離があることに理由を求められるだろうけど、逆にそれ故にとっつきにくくもある。…様々な視点で4〜5頁にまとめられたエッセイは、著者が重視する“世界史の同時性”も手伝い、世界史への旅の始まりの一助、すなわち“世界史への扉”となる可能性を秘めている。人物、事件、戦争、食、病、産業、芸術…。何でも良いから、興味ある分野に焦点を当てて、自分に合った扉を見つけ、開いていきたいものだ。2011/09/12

北山央晃

3
高校の授業で学んだはずそして学ぶはずだった世界史は、日本史もそうだったが、固有名詞の大海原であった。その航海にはあまりにも過酷な努力が必要だと僕には思えた。長じて、そして齢を重ねるごとにその努力を真摯にしなかったことを後悔するようになった。世界史への扉にはロマンチックで美しい装飾が欲しい。そんな願いを少しばかり聞き入れてくれたかな。さて、次はどんな扉を見つけようか。2017/03/09

ハチアカデミー

3
C 各国史、通史からは見えない、世界史エッセイ。時代によって世界を見渡し、同時代に世界の各地で何が起こっているのかを語る前半と、テーマによって歴史と国を横断する後半からなる。教科書とは異なる歴史を提唱する意図は大いに感じたが、いかんせん一編が短い。いま文庫として復刊するのであれば、せめて最新の参考文献をあげてほしかった。とりあげるテーマの多彩さは素晴らしいので、これを取っかかりに、気になる時代、主題を追求することはできるが… 惜しい。非常に惜しい。イスラム史が多めであったため、新しい学知を得ることはできた2012/02/08

gu

1
思ったより気軽に読めた。こういうとっかかりを見つけられれば学生時代世界史に挫折することもなかったかも・・・。2014/10/19

じぇにぃ

0
世界史を考える様々な「視点」を提供してくれる本だなと思いました。自分だけでは到底思いつかないような切り口が多数示されていて、いずれ世界史を多面的に捉えることが求められた時に、少し思い返すか、読み返すかしたいなと思いました。2015/06/21

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