内容説明
戦闘ヘリを無尽に駆った陸自の元エース・槇村は、ドクターヘリ機長として北海道の空を飛び回る日々を送っている。槇村は墜落した取材ヘリを救出、怪我人は自衛隊時代の部下・一恵だった。陸自を罷免された過去が槇村に鮮明に甦る。そして一恵は入院先から姿を消した。圧倒的スケールで謳いあげる男たちの叙事詩。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
177
読友さんのレビューを読んで、読みたくなった乱歩賞受賞作品です。舞台は北海道の東部(北見~羅臼方面)とくれば「道東民としては、読まずにはいられない舞台設定です。そんな自然豊かな道東の魅力を余すことなく伝え、キャラ設定もそれほど複雑ではなく、展開もスムーズに感じたのでストレスなく読み終えました。事件としてはそれほど大きな波が起きる展開ではありませんでしたが、その分じっくり&ゆっくりと読むことができました。道東民の方はよりいっそう楽しめる内容だと思います。‘動物愛護’って、なかなか難しいテーマのようですね。2014/05/01
tengen
59
末浦広海さんの江戸川乱歩賞受賞作。 ドクターヘリパイロットの槇村は、墜落した新聞社のヘリを発見し、乗組員を救出。 なんとパイロットはかつて心を寄せた自衛隊時代の部下一恵であった。 そしてそれをきっかけにかつての関係者を巻き込みながら槇村の周りで事件が相次ぐ。 全ての根は同じなのか?それは果たして何なのか? ☆彡 北の大地と知床の自然を舞台にそれぞれの熱い思いがたぎる。2015/10/26
papako
37
初読の作家さん。こちらのサイトの感想が気になって。ドクターヘリのパイロットが墜落事故の救助を行うことから事件始まる。北海道だから起こった事件。主人公視点に、取り巻く人々の視点が挿入され物語はすすむ。それぞれの思惑が入り乱れ、そこまでからむのか!というくらい拗れてしまう。親としての思い、愛ゆえの訣別、自然とは何か?多くのことが語られている。盛り込みすぎだけど、スピード感のある文章で一気に読ませてくれました。2014/03/12
mizshnami
21
読みながら思い浮かんだアニメーション映画が2本ある。ひとつは『もののけ姫』、もうひとつは『おおかみこどもの雨と雪』。どちらも心に深く刻まれた物語だった。生態系を壊し、野生に対して横暴に振る舞う人間の生き方に警鐘を鳴らすとともに今後自然とどのように共生していけばいいかを大いに考えさせられた。オオカミを森に放とうとする若林の行動は決してほめられるものではないと思うが、同情を禁じ得なかった自分もいる。「獣害」、「害獣」という言葉をこれからも使うのであれば、「人害」という語も辞書に載せるべきであろう。2014/04/05
はるるん
16
半ば強引とも言えるご都合主義的な人間関係はさておきストーリーはとても面白かった。北海道知床を舞台とした大自然がありありと目に浮かぶ。自然遺産と認定しながら観光地化により自然が破壊されるという矛盾はいかにも人間がやりそうな事。野性動物たちにとってははた迷惑な話であろう。ラストのカムイの視点が粋だった。2019/03/01
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