誘拐児

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誘拐児

  • 著者名:翔田寛【著】
  • 価格 ¥712(本体¥648)
  • 講談社(2012/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062770132

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内容説明

終戦翌年の夏、5歳の男の子が誘拐された。≪使い古しの新圓(しんえん)で百萬圓を用意しろ。場所は有楽町カストリ横丁≫という脅迫状に従い、屈強な刑事たちが張り込むなか、誘拐犯は子どもを連れて逃げてしまう。そして15年後、とある殺人事件をきっかけに、再びこの誘拐事件が動き出す。第54回江戸川乱歩賞受賞作。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aqua_33

76
翔田さん初読み。戦後の混乱期に5歳の男の子が誘拐された。身代金は取られ、子どもも戻らず、犯人も捕まらず。それから15年後、女性が殺害された。2組の反目し合う刑事たちによる捜査により、かつての誘拐事件とこの殺人事件は繋がっているのではないかという方針となる。一方、母親の死の直前の言葉から自分は誘拐された子どもなのではと訝る良雄。2組の刑事と良雄という三方向からの視点がやがて1つの真実に辿り着く。そしてその結末は「おぉぉ!」と唸るほど予想だにしないもの。2017/07/19

アッシュ姉

73
【辛口注意報】昭和21年に起こった未解決の児童誘拐事件。15年後に起きた一つの殺人事件をきっかけに、再び事態が動き出す。二つの事件の関係者が多く、登場人物の背景を把握しきれないうちに、唐突に犯人が明かされ、驚くタイミングを失った感じ。私の読解力の問題もあるが人物描写が弱い。心情も伝わってこないし、年相応の振る舞いもなくイメージがわかないため、誰にも感情移入できず最後まで入り込めなかった。真相は気になったが、根拠の薄い展開が放置されたまま、強引にエピローグで締めた印象。期待していただけに残念。2016/06/28

やま

71
① 読めば読むほど、引き込まれていきます。戦後の混乱期に誘拐された勇一をめぐる物語です。発端は、昭和21年8月7日に東京都世田谷区成城町に大きな屋敷を構える実業家、久我恵三の一人息子勇一5才が誘拐されたことです。15年後に、この事件が、ふたつの違った方向から物語が進んで行きます。ひとつは、関内市民病院で危篤の母親谷口貞世の枕元で息子の良雄が、母から聞いた「おまえは、ほんとうの息子でないよ。私が誘拐ーーー」と言って昭和36年6月25日に亡くなります。→2023/01/21

ナミのママ

68
第54回江戸川乱歩賞受賞作。「真犯人」「冤罪犯」「人さらい」と面白かった翔田寛さんの2008年受賞作。昭和21年の誘拐事件と昭和36年の殺人事件が交差していきます。事件の謎解きとあわせて登場人物が面白かったです。じっくり読んでいかないと人物の多さと背景がぼやけてしまいそうですが奥が深く感じました。それぞれの事情と、2組の反目する刑事の地道な捜査。昭和21年はもちろん戦後の混沌とした時代ですが、昭和36年というのもまだまだあやふやさが残る時代だったのですね。2018/10/21

えみ

61
読ませる誘拐小説。過去が解き明かされ、それは辛い真実となって襲いかかる。でも…そこには確かに優しい記憶があった!15年前の誘拐事件で攫われた子供は自分なのか?大人になった誘拐児がまるで迷子のような不安を抱えながら「母親」を探し求めて自分のルーツを辿り始める。もし信じていた自分の人生が犯罪という第三者の手で捻じ曲げられたものだと知ってしまったら…。もし自分が誘拐された子供だと知ってしまったら…。そのどろりと流れ出した説明のつかない感情は犯人が見つかったとて容易に収まらないだろう。誘拐、殺人、そして愛と罪。2021/06/16

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