中公新書<br> 外邦図――帝国日本のアジア地図

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中公新書
外邦図――帝国日本のアジア地図

  • 著者名:小林茂【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021199

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内容説明

明治初期から第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作製した「外邦図」。陸軍が中心となり、戦争と植民地統治の「道具」として、朝鮮、中国、東南アジアと、進出に先駆けて作られた。その手段は、複製、秘密測量、空中撮影であり、現地での衝突も少なくなかった。本書は、初期の陸軍将校たちの偵察測量、日露戦争戦場での争奪、越境空撮など、従来知られていなかった作製の内実と利用の歴史を明らかにする。

目次

外邦図の世界
近代国家と地図作製
草創期の外邦図作製-海外地理情報の編集
朝鮮半島の偵察と測量-日朝修好条規締結以後
中国大陸の偵察と測量-陸軍将校たちの「旅行」
日清戦争と初期外邦図
日清戦争とその後-臨時測図部設置とロシアとの角逐
日露戦争-地図争奪と後方での測量
日露戦争終結後の臨時測図部
植民地の土地調査事業-台湾・朝鮮・関東州
第一次世界大戦・シベリア出兵と外邦測量
空中写真による地図作製の発展
満州事変から第二次世界大戦へ-中国と南方の外邦図
外邦図作製の拡大と敗戦
外邦図と現代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッキー提督

6
大日本帝国がその拡大過程で、どのように海外で地図を作っていったかについての通史。作成過程を記述する際、当事者の手記なども併せて参照しており、またその地図の「使われ方」も記述されているため、同時代的な「認識」に近づくことが出来る。また地球環境など、現代においてもこれらの利用価値が大きいことを適示。 全体を通してみると、初期は技術的劣後、それ以降は秘密主義や運用面との齟齬など、大日本帝国の「限界」を伺わせる。また参謀本部が隠匿した地図が、今なお陸上自衛隊中央情報隊に管理されているというのは衝撃だった。2016/08/17

月をみるもの

6
いつ読んだのか忘れちゃったけど、このスタンフォードの地図みて思い出したので登録:http://stanford.maps.arcgis.com/apps/PublicGallery/index.html?appid=1ed3022fc7884690a2f137bce9dfe4fe2016/08/09

takao

4
外邦図デジタルアーカイブ 外邦図:戦前、日本がアジア太平洋地域について作製した地図 東北大学、大阪大学、お茶の水女子大学、国立国会図書館、アジア歴史資料センター、台北中央研究所 台湾○図2017/06/02

ぽん教授(非実在系)

4
軍事戦略上不可欠な正確な地図を明治~昭和の陸軍はどのように作っていったか、そしてその努力の結実である外邦図を軸に近代日本を照射する。地理学的な解説が多く単に歴史の本だと思うと結構難しいものの、全体的に面白かった、戦線拡大におっつかなかったり、現地で殺されたり、そのような地図作成者たちが相当苦労して作ったのに部分部分では満足のいくものができなかったり、そして終戦時に多くの地図が焼却処分されたりといった付随エピソードの数々は現代でも大いに示唆に富むものである。2014/09/27

雲をみるひと

3
戦前の外地での測量や作図の変遷についてまとめられた本。先人達が苦労して作図したこと、敗戦で成果が焼却、離散してしまったことがよくわかる。作図の軍事的、政治的意義や緊急時の書類保管についても考えさせられる奥の深い内容なのだが、成果物の具体的な例示に乏しいため、少しわかりづらいのが残念。2018/07/30

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