内容説明
「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」――お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは……。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。
目次
第1章 どん底で息をし、どん底で眠っていた。「カネ」がないって、つまりはそういうことだった。
第2章 自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れるということだった。
第3章 ギャンブル、為替、そして借金。「カネ」を失うことで見えてくるもの。
第4章 自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。
第5章 外に出て行くこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること。
谷川俊太郎さんからの四つの質問への西原理恵子さんのこたえ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
267
タイトルに惑わされるな! これは「金の亡者」の話ではない。著者の赤裸々な生き方をさらけ出し、金を稼ぐ本質を鋭くえぐる。しかも、力まずユーモアたっぷりに語られるから、呼吸をするように自然にこちらに入ってきた。貧しかった中学時代、シンナーは不良のお兄さんお姉さんたちの「たしなみ」で、彼らの卒業式の「餞別」はシンナー一斗缶。西原さんにとって、「才能」がある=それでちゃんとカネが稼げるか、だという。「どうしたら夢がかなうのか?」で迷っている人には、「どうしたら夢で稼げるか」を考えればよい!やるべきことが見えてくる2019/03/29
ミカママ
141
初読み作家さん、と言うか漫画家さん。角田光代さんちの猫、トトちゃんは西原さんのお宅からもらわれたような、なんてくらいの初期知識で臨みました。もっと単純に「お金の増やし方」とかの「お金本」を予想していた私は、そのあまりのギャップにガツンとやられた感じ。これはまさにご本人の激しい生き様を描いた作品。彼女の作品、もっと読んでみたいです、漫画でも。2014/05/27
パフちゃん@かのん変更
115
大学受験の日、父が借金苦から母を殴り負傷させたうえ、首をつって自殺した。受験は無理と思ったが、母は全財産140万の内、100万円を持たせて受験に行かせてくれた。7万円の仕送りでは生活できないのであらゆるバイトをした。しかし、イラストを売り込んでお金になった時が一番うれしかった。作者のたくましさは背水の陣ともいえるこの状況から生まれていると言える。西原さんの母が素晴らしい。高知の女はたくましい。働くことは生きること、人の金を当てにせず、自ら道を切り開いて進むべし。2013/10/15
扉のこちら側
103
初読。これからのライフプランとマネープランを見直したい。2012/09/30
シブ吉
99
凄いタイトルです。でも、読み進めて行く内に、西原さんの思いが伝わって来ました。お金というものの、有難さ、怖さ、そして、貧しさの連鎖。明るく書いている裏側に有る壮絶な人生は、読んでいて胸が締め付けられました。第五章の「外に出て行くこと。」目頭が熱くなってしまいました。人生は、はかないものですね。だからこそ、働く喜びが必要なのでしょうね。「働くことが希望になる。」・・・タイトルはスゴイですが、出来るだけ多くの方に読んで欲しい一冊です。2013/07/06