内容説明
夜空の星の“光”とはいったい何? そんな素朴な疑問から、「暗黒物質」の存在まで。コペルニクスの地動説からアインシュタインの相対性理論まで。宇宙を知るための科学、物理学の知識、歴史がこの一冊でわかる。最新の観測データを加え、待望の名著復刊!
目次
1 宇宙の歴史(宇宙からやってくるもの;天体をつくるもの;宇宙で生まれるエネルギー ほか)
2 相対論談義(アインシュタインは何者か;奇妙な事実の背後にあるもの;宇宙の謎を解く鍵 ほか)
3 宇宙を見る目(宇宙と物理;宇宙の境界とは;宇宙の伸び縮み ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
13
物理学者の物言いに萌えるための本。p.32「原子力は中性子星の重力エネルギーを缶詰めにしたものなのです」p.287「物理は、いまでも十分普遍ではなく、’’単に無限数列の勝手な部分を見ているだけなのではないか’’という批判にこそ戦慄すべきである」いやあ、ほんと惚れ惚れしますわね。説明もわかりやすい。地球表面にとどまっている我々は本来なら地球中心に落下して然るべきところを落下しない。つまり地面からの力を得て上方へ加速度運動している。この部分と相対論における重力の役割を対照すると啓示的エウレーカ体験となる。2022/05/27
はる
6
1980年から1990年頃に諸誌に掲載された相対性理論に基づく小論で構成。30年前に書かれた一般読者向けで、全く数式なしの叙述のみ、図解あり。星の寿命はブラックホール、白色矮星、爆発しガス化で終える。膨張宇宙の星のこのサイクルでウランの重い元素は産まれた。(鉄までの元素は星が生まれるなかで作られた)。コップのエネルギーは広島原爆より大きい量である。時間は観測する場で異なる。GPS衛星の時間は地上よりゆっくり。ブラックホールの地平面を越えると何ものも脱出できないのは重力が光を捉えるから。2021/08/22
白義
5
タイムリーな復刊名著。昨日、ニュートリノの速さが光速を超えるのでは?という観測があった。ただの実験ミスの可能性も凄く高いから早計なコメントはできないが、もし事実なら相対性理論に与えるインパクトは甚大だ。この本は、ベテラン佐藤文隆が当時の宇宙のしくみ、姿とそれを導く理論を、分かりやすく解説したもの。特に、光瀬龍との対話を元にしたらしい相対性理論講義がものすごく分かりやすい。一番新しいのでも90年の論文と古い本だけど、最新の観測結データ織り込み加筆していて今でも立派に通用する。この機会に読むのをオススメする2011/09/24
ヨミナガラ
2
“無限に硬いもの、壊せないものはじつはないということです。完全な剛体というものはないというのが相対論の結論です。”2014/04/06
seigo0814
1
「ホーキング、宇宙を語る」を読むとついつい続けて読んでしまう本だ。講演会を聞いているような読みやすさなので、スイスイ再読完了。2022/02/22