内容説明
小児がんの子どもたちと向き合って40年。聖路加国際病院小児科部長の著者は、朝暗いうちに車を走らせ病院へ。会議、診察、外来、患者家族とのミーティング、「がんの子供を守る会」他、様々な仕事が目白押し。でも、そんな超多忙の合間を縫って、俳句、スキー、お遍路の旅を愉しむことも─。初心を忘れず、かつ気負わず、医師として見事に生きる日々の記録、いのちをめぐる日記。
目次
文化の日
凭られても
聖樹据ゑて
ふるさとの
ひとつの雲
子らが描く
ずり落ちさうに
もとどほり
どつさり浅蜊
生キ死ニのはなし
飯饐える
二百十日
芋煮の火
桂郎忌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルカリオン
9
著者は聖路加国際病院小児科部長。読み応えがある一冊。どこかで読んだことのあるエピソードがちらほらあるなと思って途中で確認したら6年前に読んでいた。その際のメモには「まさに日記的なエッセーで面白くなかった」とある▼今回は興味を持って熟読した。前回読書後の経験等が影響しているのだろうか。本の評価が再読時に大きく変わることは私には珍しく、面白い体験だった。2023/09/15
Yuta Ibuki
1
予想に反して本当に日記でした。時折書かれる、亡くなった子どもの描写が痛く、切ない。 品の良い文章の奥に秘められた、がんと戦うもののしたたかな闘志。 医師とはこうありたいと思う。2013/04/14
ともぞう@
0
一篇の美しい詩を読んだあとのような読後感.「命」じゃなくて「いのち」だなぁ.2012/04/25