ハヤカワ文庫FT<br> 剣姫―グレイスリング―

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ハヤカワ文庫FT
剣姫―グレイスリング―

  • ISBN:9784150205331

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内容説明

優れた暗殺者ながら義賊となった少女は反乱の旅のなか成長し、悪しき王の陰謀に挑む!左右違う色の瞳を持ち、賜(たまもの)とよばれる超人的な才能に秀でた者が産まれる世界。なかでも殺しの 賜(たまもの)を持つミッドランズのカーツァ姫は、王の暗殺者として恐れられている。だが彼女はその陰で秘密組織を作り、弱き人々を助けていた。あるとき拉致されたリーニッド王父を救出し、王子ポオとともに誘拐の黒幕を探るうち、カーツァは忌まわしき陰謀の存在を知る――強くて悩める少女の波乱の旅を描き、あまたの賞に輝く成長物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miri

66
巻末に受賞リストが載っていますが、ALAが選ぶ年間ベストYAというのが一番イメージが湧きやすそうです。賜と呼ばれる超能力を持った人間が生まれることがある世界で、殺しの能力を持ったお姫様が義賊となり、陰謀に立ち向かうというよくある話。エピソードのバランスも悪く、主人公のパーソナリティも疑問に思うことが多々ありますが、私は結構この物語が好き。敵と戦うより、主人公と他の国の王子様が恋に落ちる方がメインなのではと思うほど、自然に惹かれ合うムードにドキドキ…(笑)2020/03/16

アイゼナハ@灯れ松明の火

36
『初めて本物の吹雪がきたときに、おりよく山ライオンに出くわした。天の恵みだ。』稀なる“殺人”の賜持ちとして怖れられる、ミッドランドのカーツァ姫。裏の顔は弱きを助ける〈秘密諮問機関〉の主宰である彼女が、異国の賜持ちの王子に心を開くなかで、新たな居場所を見つけていく話…ベタに聞こえたかもしれませんが、キャラクターの魅力が尋常ではなく、楽しく読ませてもらいました。クライマックスが戦闘シーンでは無かったところも、意外でしたが「お主やるなぁ」って感じ。続きが非常に楽しみです。あと、おしゃまなビターブルーが可愛い。2011/05/25

星落秋風五丈原

21
叔父の用心棒のような役回りをやらされているカーツァは明らかに屈折している。それだけの戦闘能力があれば、非道な叔父を倒してクーデターでも起こせばいいところだが、実のところ、彼女が怖れているのは叔父ではなく自分だ。まあこのあたりは「自分って何だろう?」と問い続けながら自我を確立していくティーン層が大いに共感できるポイントだろう。鈍感でオクテだった姫様が恋を知った途端に大胆になる(そして妊娠を気にする!)のは『炎と茨~』との共通要素。恋に落ちて大胆になる姫様のイメージはすっかりファンタジー界では定着したのか。2014/07/17

すけきよ

16
暗い能力を克服するのではなく、それを受け入れながら不器用に成長していく物語。しかも、成長と物語の展開が、その能力なくしては進まず、ガジェットと物語が乖離していない構造が巧み。主人公カーツァの魅力が全開なんだけど、彼女以外のキャラクターも印象的に描かれており、冷静で頑固なカーツァの代わりに、読者に対して要所要所で感情的な働きかけを見せる。また、成長物語につきもののロマンスも、これくらいの塩梅が甘酸っぱくていいんですよ! 三部作の予定らしいけど、物語は完全にこの1冊で完結しているのでご心配なく。オススメ。2011/05/24

47

13
剣姫というよりは拳姫?大きすぎる力に振り回されて生きてきたお姫様が異国の王子様との出会いによって大きな器を手に入れていくお話。ニヤニヤあり、ハラハラあり、非常に楽しい読書でした。あっさりだった「彼」は過去編で語られるのでしょうか、続編の刊行が非常に楽しみです。2012/06/06

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