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内容説明
「彼に比べると、おれはだめな人間だ」「私、あの人よりはましよね」―。
愚かなことだと知りながら、人は他人と自分を比較して、自責の念に苦しんだり、空しい優越感に浸ったりする。
本書の著者も医師の競争社会に疲弊したことが一因で、精神のバランスを崩したことがあった。
しかし今は言葉の力と、禅の知恵に支えられ、無駄に心を苦しめない日々を送っている。
その具体的方法として、本書は「責めず」「比べず」「思い出さず」と唱える対処法や、呼吸・坐禅の実践例を紹介。
自分の「分」を活かす生き方を提唱する。
目次
第1章 なぜ比べる社会になったのか
第2章 比較は欲望から生まれる
第3章 暮らしは分が大事
第4章 理想を持たない生き方
第5章 人の運勢はだいたい似ている
第6章 「生きることは苦である」ことを理解する
第7章 後悔で苦しまないための考え方
第8章 ゆがめられた考え方に苦しまない
第9章 うつを防ぐ生き方
第10章 他人と比べずに生きるための習慣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペダたま
10
人と比べずに生きる事は、簡単なようで難しい、と私は感じていたけど、この本を読んでからはある程度は、比べずに生きられる、と思います。2017/09/17
壱萬参仟縁
9
格差の言説自体が、人と比べた格ではないか、と突っ込みを入れるしかない。ある者とある者の間の違いが際立つ社会を言っているので。書名だけで言えば、格差社会への挑戦状ともいえるか。してみれば、1980年代ぐらいの中流社会は格差なんて言ってなかったので、今よりもレベルは低いかもしれないが、それなりに明日への希望をもっていたのだが、非正規身分が固定化したために、ここから脱出できない。湯浅誠氏の滑り台社会が派遣村で実感されたのが5年前。分相応を奨めている。さっき、凡人でもナイスもらってればいい、とつぶやいたらウケた。2013/02/24
ニャン
6
苦しみは比べることから生まれる。「責めず」「比べず」「思い出さず」「考えない」習慣をつける。著者の実体験と仏教の教えを絡めて、人生の苦、うつ病、生き方、考え方などについて、バランスよくわかりやすく書かれているので読みやすかった。2014/01/26
ただの晴れ女
3
禅の本で、精神論が多いかな?って、感じ。私はうつは、心ではなく、脳内物質やホルモンの多寡の方が大きいのでは?と思っているので。(素人だけど。)とはいえ、「優越感をもたない」は意識しなきゃ、ほんとに。「足るを知る」は、努力しないってことじゃなくて、「今の自分を生かすための努力」って知って、いい言葉だなと。あと、抗鬱剤の恐ろしさは知れてよかった…。2011/10/20
dyoshi0313
1
★★☆☆☆ 2.0 害があると分かっていてもついやっちゃう他者比較をどう無くせるかと思い読んでみたが、他者比較がどのように害であるかについては仏教の教えを引用しながら語られているものの、その対処の方法論が少ない印象。また著者自身が根底の所で他者比較やその苦しみに囚われてる印象を感じた。 逆に言うと、長い人生を歩まれてる著者でも他者比較の苦しみやそれを乗り越えようとしていると分かるので、みんな同じように悩んだり苦しみながらも乗り越えて生きてるんだと感じられた。また坐禅(瞑想)はやっていきたい。2020/08/22