内容説明
『死都日本』の石黒耀が描く、富士山噴火!富士山の地下で、怪しげな低周波地震が頻発。そしてついに噴火する富士山。被災地・御殿場市の住民を救うことはできるのか? クライシスノベル第3弾! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
icchiy
13
パニック小説ではありません。 霊峰富士が大噴火する過程を緻密な地震学、地質楽、さらに富士に隠される歴史的な事柄を随所に散りばめて読ませてくれます。しかし、かなり詳しいので会話の形をとるものの結構冗長的なきらいがあるので飽きるかも。いよいよ噴火する箇所ではリアリティ抜群で読み応え抜群。富士覚醒とは題名も素晴らしいと思います。 2021/09/11
まさる
7
長編でハラハラしながら読めた。ただ、神様の話は少し消化不良であった。火山が豊富な地下水を保持するダムの役目を果たしていること(p109)、関東ローム層は古富士の爆発的噴火によるもの(p146)、富士山の地下ではフィリピン海プレートが二つに裂けて、そこを通って深部から短時間でマグマが上昇すること(p327)、1707年宝永噴火の詳細(p596)など勉強になった。現在、高校理科で地学を学ぶ生徒は少ないとのこと。日本の政治家と国民の危機意識の低さはなんとも嘆かわしいことである。2020/07/29
ペンギン伊予守
6
600ページを超える長編ですが、神社や考古学の話をすっ飛ばせば、リアリティのある火山の噴火の話として、考えながら読むことのできる小説です。特に、社会への影響について考えさせられます。2015/05/15
真作
4
天変地異を中心としながらも、徐福伝説や記紀神話、出エジプト記まで絡めてくる。おそらく火山活動はある程度リアリティのある話で、神話の部分は作者の創作か。冨智神神社にモデルがあるのか気になるところ。記紀が対立する立場で書かれていたとは知らなかった。また1985年にコロンビアの火山の噴火で何万人も亡くなった惨事は初耳だった。日本ではほとんど報道されなかったのだろうか?2025/04/19
お人形
4
架空の平成時代の富士山爆発をシュミレーションした小説です。ものすごい取材量をこなしたと思われる知識が満載で、地学・歴史・政治・倫理といった様々な視点から火山を、災害を照らしていきます。日本の防災行政の愚劣さに対する著者の怒りに溢れていますが、ストーリーは人間の愛を肯定する前向きなものです。2020/01/18
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