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内容説明
「日本はバスに乗り遅れるな」とマスコミは喧伝し、経済界も旗を振る「平成の開国」。
しかし、日本の市場は本当に閉ざされているのか。
議論もないままに着々と進められるTPP推進論。
ターゲットは、農業と医療だけではない。
投資と労働など、日本の国家運営にも直結している。
果たして、24の幅広い分野で検討されていることを知っている国民はどれだけいるだろうか。
TPP推進の裏には、米国と中国の国家戦略が見え隠れする。
「平成の開国」は、国家の存亡をかけた大問題であり、国民に覚悟を問うている。
目次
第1章 なぜいま「平成の開国」なのか?(尖閣ショックで対米追従に回帰;尖閣事件の失態を糊塗した前原氏の挑発的演説 ほか)
第2章 最も危険な「投資」と「労働」(各国から拒否された米国流投資ルール;ハゲタカ外資を拒否できなくなる ほか)
第3章 第一のターゲット 農業と食糧(国家観が欠落した農業ビジネスの論理;重要なのはカロリーベースの穀物自給率 ほか)
第4章 第二のターゲット 医療と薬品(TPPと医療分野;日米投資イニシアティブと医療分野 ほか)
第5章 米国の戦略を学ぶべき日本(国際ルールより国益を優先する米国;「国際標準化」は地味だが重要な戦略分野 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
13
Tppの危険性を指摘した内容としては、法的視点において、一番わかりやすかった。規制緩和や構造改革を確信的に非確信的に進める知識人、役人、政治家がいるが、彼らとどう対峙するか、説得するのか考えなければいけない。勉強できる人程、アメリカ的価値観に染まっているように見える。2016/08/16
佐島楓
13
TPPについてのニュースではあたかも農業だけがメインの議題のように取り上げられるが、この本では投資ルール、医療、労働といった他分野への適応の目論見があるとわかる。ただ反対論者の書かれた本だけではメリットはないのかというところが相変わらずわからない。政府は情報開示を積極的にすべき。2011/11/22
ふぇるけん
6
「TPP亡国論」を読み、本書も手に取ってみた。この2冊を読めばTPP参加に賛成する人はいないだろう・・・日本の医療制度がいかに国家に守られているかはよくわかった。それにしても、米国は中国以上に危険な存在だと思うのは私だけでないはず。2012/07/13
ジョンとらぼるた
4
最近常々考えるのは、小泉さんって日本の国力に対して有効な政策をやってねえんじゃねえか?という。しかし支持率は凄く高かった。アメリカの公表されている対日政策を大手メディアは視聴者に提示して分析するのが良いと素朴に思うのだが。自主規制?もしくは視聴率取れないか?はたまたそもそも米の対日政策を提示し分析するという文脈を持っていないか?都知事選に湧いた人々はただ湧きたい、怒りたいだけだったんじゃねえかなと。小泉旋風吹き荒れる中、ガキだった自分。成人を越えた今。「無理だな」が雪掻きをしないともっと悪なる、ってのが関2014/10/21
さきこ
4
読んでいるとイライラしてくる.なぜ政治家は,仕分け人はこんなにダメ?この本に書かれているようなことを知らないのか,知っているが逆らえないのか.この本に挙げられている中で僕が一番脅威に感じたのは,水資源が中国人に狙われているという部分.何とか守りたいが,土地の所有者に任せるしかないのだろうか.タイやベトナムでは中国が上流でダムを造ることによる水不足が問題になっている.同じようなことが日本でも起こりかねない.2011/12/11