内容説明
天文21年(1552年)、摂津の国高山に生まれた高山右近。世は、信長、秀吉、家康と、めまぐるしく勝者が変わる下克上の戦国時代。そのなかで右近は、若くして父ダリオ飛騨守から領主としての地位を護り受けて、時の権力者に対しても、領民に対してもキリシタン大名として誠実さを貫きとおした。切支丹迫害がはじまり各地に追放されながらも、キリシタン大名右近の武将としての力量と人望に時代の権力者たちは恐れを抱いた。ついに家康によってマニラに追放された右近の生涯を、感動的に記した歴史物語。
目次
第1章 この世の楽園を(喜びにみちた日々 荒木村重の謀反 ほか)
第2章 生いたちとその時代(日本キリシタンの夜明け “神の教え”をめぐって ほか)
第3章 吹き荒れる嵐(秀吉の心変わり “追放令”の真因 ほか)
第4章 やみのなかの光のように(天下分け目の戦い 信者たちの興奮 ほか)