内容説明
〔英国パラソル奇譚〕さる舞踏会の夜、アレクシア・タラボッティ嬢は偶然にも吸血鬼を刺殺してしまう。その特殊能力ゆえ、彼女は異界管理局の人狼捜査官マコン卿の取り調べを受けるが、事件は思わぬ広がりをみせ──ヴィクトリア朝の歴史情緒とユーモアにみちた、新世紀のスチームパンク・ブームを導く冒険譚!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
286
これは評判通り面白い。SFやファンタジーはどうしても説明が多くなりがちで本書も例外でないが、細かなエピソードを工夫して並べて、煩雑な説明を上手に物語になじませた。主人公アレクシアの個性もいい。やっぱり大人しい主人公は面白くない。これくらいは暴れさせないと。次巻も読むのが楽しみ。absintheはファンタジーになじみが無いので、ファンタジーとして優れているかはわからないが…2016/08/25
星落秋風五丈原
159
続・英国パラソル奇譚も始まっている、英国パラソル奇譚シリーズ第一作。吸血鬼、人狼が昼間族と共存していて、ヒロインのアレクシアは吸血鬼をパラソルで殴り殺してしまった事から独身女性の結婚相手候補No.1(人狼だけど)のマコン郷と出会う。二人がジェイン・オースティンの『高慢と偏見』のダ―シ―とエリザベスに模されており、マコン郷はかなり早い段階でアレクシアにめろめろ。そして人狼なのでやたらと脱ぐ。エンジンがかかったら止まらないマコン郷をアレクシアも止めるわけでもなく、馬車で応接間で戸外でとやりたい放題。2017/08/20
佐々陽太朗(K.Tsubota)
130
<魂なき者>アレクシア・タボラッティはなんと可愛い女性なのだろう。ダイエットなどとつまらぬことには無縁の健康的な女性。意志が強く決然とした茶色い目を持ち、科学者とも普通に知的な会話を楽しめる才女。男に媚びを売ることなど絶対にせず、異性に対するつんけんした態度とは裏腹に、その心のとろけ方たるや半端ではない。いわゆるツンデレの典型である。26歳にしてうぶとは・・・カワイイ・・・。ジャンルとしては、これはSFかファンタジーか。いやいや、これは紛うことなきロマンス。そう、これはスチームパンク・ロマンスだ。2012/11/25
七色一味
107
読破。スペキュレイティブ・フィクション──スチームパンクという分野の作品なんですが、ラノベ版ハーレクインって感じです。人狼、吸血鬼、自動人形、飛行船、蒸気機関に馬車にフロックコートにペチコート──。最後にはエリザベス女王まで登場する、19世紀倫敦を舞台にした、痛快・エロ冒険譚の第一弾です。5冊まとめて、川越オフ会で戴いた作品。2013/06/08
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
98
一つのパラグラフの中で視点が切り変わるので、最初は少々とまどいましたが、ヒロインの強さに惹かれて、だんだん心地良い読書体験となっていきました。舞台は19世紀のロンドン。パラノーマルロマンスと思って手にとった本でしたが、「スチームパンク」というカテゴリーに入るということを後で知りました。2013/11/22