チリ33人―生存と救出、知られざる記録

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チリ33人―生存と救出、知られざる記録

  • ISBN:9784764106277
  • NDC分類:936

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内容説明

チリの鉱山で働く男たちに世界の目がくぎ付けになった。摩天楼サイズの岩が崩落し、地下700メートルの深さに33人が閉じ込められたのだ。鉱山は長年の無秩序な掘削のおかげでネズミに食い荒らされたチーズのようになっていた。彼らの生存率は限りなく低く、鉱山の所有者たちに労働者たちを救出す能力は無かった。政府の全面支援のもと、壮大な救出計画がスタート。大統領は全世界へ救出のアイデアを求めた。チリはもちろん、各国から集まった学者、医師、作業員などの救出ボランティア、2000人以上のメディア、そして家族の生還を待ち続けてテント生活を送る家族たちで鉱山付近は村の様相を呈するようになってくる。そのころ地下では、男たちが地下の避難所にあったわずかな食料を分け合いそれぞれが能力を発揮して創意工夫し、協力しながら、この難局を乗り越えようとする。だが、先の見えない絶望、餓死の恐怖、やがて共食いさえ考えるようになる。地上ではさまざまな救出プランが進行するが、次々に挫折し担当者たちは苦悩する。やがて必死の作業の末、地下に届いた小さな穴。そして地上へ送られたメッセージ…。だがそこからどうやって救い出すのか?地上との連絡が取れたことで失われる男たちの団結。そして感動救出劇のさなかで発生した新たな危機。派手な戦闘も流血の惨事でもないニュースが全世界を引きつけた。現場で取材ができた唯一の記事記者であった著者が記す驚愕の記録。

目次

世界の視線
生き埋め
必死の捜索
地獄に捕らわれて
速さvs正確さ
17日間の沈黙
鉱山の底の幸運
生還への緩慢な歩み
マラソン
テレビのリアリティ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケルトリ

4
地下で過ごした33人が直面した絶望・希望・極限化の心理状態。それらがしっかりと記されていて、とても読みごたえがあった。そして脱出した後の彼らに対するマスコミの執拗な取材合戦――まったくマスコミというのが度し難い……2020/02/15

星空の挑戦者

4
全世界が一つとなってチリを応援した感動的実話。生存を知らせる17日目までの話が面白かった。2011/09/17

みけねこ

2
読んでるだけでも閉塞感を感じる。この33人は強い。もし自分だったら……と考えてみるけど、そもそも山の中に入れるような人間ではない。ただでさえ集団が苦手な上に、閉所も暗所も怖いのに、暑くて湿度が高い場所なんて地獄。また働きたいと思う気持ちや69日間も耐え抜いた精神は、尊敬でしかない。日本企業がたくさん支援に回っていて、なんだか嬉しくなった。2023/08/11

yuka_tetsuya

1
ニュースを見て知っているつもりであったが、救出までには数々の偶然と、団結、勇気、善意があったことがよく分かった。素晴らしいドキュメンタリーである。発見までの17日とそれから救出されるまでの日々の遭難者の心理の変化に読み応えがあった。大統領がすばやく各国にSOSを発したこととそれに応じた世界的な応援そして、生中継による情報発信など現代の災害を克服するヒントがちりばめられている。そこに日本の最先端の技術が貢献したことを誇りに思う。2011/04/30

アーク

0
チリの鉱山落盤事故は言うまでもなく大事故かつその救出劇は感動的だった。チリのジャーナリストの手による本書はその様子を綴っているけれど、原文からなのか翻訳によるものなのか、表現が薄味に感じられた。既に報道されている事実を淡々と綴っているだけでカタルシスが感じられないんだよな。もう少し詳しくその内容を綴って欲しかったところだな。2015/05/01

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