- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
19世紀の知の巨人、チャールズ・ダーウィン。自然淘汰論による進化論を提唱し、生物学だけでなく、現代思想にも大きな影響をあたえた。ダーウィンはどんな時代を生き、何を考え、私たちに何を遺したのか。ルネッサンスから現代までの進化学説史の緊張関係にわけいり、「ヒト」の観念がどのように変わってきたのかをたどる。ダーウィンの功績と限界を審判し、最先端の進化学が切り拓いた地平を展望する生物学の入門書。
目次
第1章 ダーウィンとその時代
第2章 ダーウィン以前の生物学
第3章 ダーウィンの進化論
第4章 ダーウィンが研究した他の分野
第5章 ダーウィンの世界観
第6章 ダーウィニズムの変転
第7章 淘汰論から中立論へ
第8章 現代生物学におけるダーウィン
付録 生物進化に関する基礎概念の解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
43
ダーウィンが思っていたより近い時代の人物だったことに驚いた。ほんのここ百数十年ほどでこの分野が大きく進歩したことがよくわかる。学校では落ちこぼれだったというダーウィン。家族のバックアップと自由な興味がもたらすものが大きいことを教えてくれる。2015/08/26
樋口佳之
24
目的論的発想ではないか。ここに自然淘汰論的思考の弱さがある。表現方法の問題点にとどまらない。自然淘汰論は生物進化を説明しようとするときに、適応ありきなのである。適応を目的論抜きで議論することができるということが自然淘汰論の強みだということになっているが、本書の第6章と第7章で見てゆくように、少なくともDNAレベルでは適応進化はほとんど起こっていないことが現在では解明されている。/タイトルかなり誤解生んでいると思う。自身ガチの中立論者によるダーウィン以後の進化論解説2018/08/22
te_R9
4
ダーウィン個人への入門書であると同時に現代進化論への変遷を綴った進化学の入門でもあったので面白く読めた.なんといっても自分の知識がダーウィンの自然淘汰説で止まっていることがわかったのが良かった.自然淘汰よりも中立進化のほうが現在の主流だなんて.DNAの解析が進んでもまだまだわからないことだらけみたいなので今後の発展が楽しみだ.2011/04/12
よしどん
3
入門ということばに騙された感があった。進化=自然淘汰ぐらいしか知らないものとして、ここに書かれていることはちょっとレベルが高すぎた。部分的にいきなり難しくなる感じがした。著者が書きたいところは専門的になりすぎているのかもしれない。進化に関しては、もっと簡単な入門書を探して来たほうが良さそうである。2013/03/02
よこよこ
2
ダーウィンの提唱した進化論についての詳述、又ダーウィン以前の生物学、ダーウィン以降の生物学等も書いてくれるので、結局の所、進化学が歩んできた紆余曲折の歴史が分かる総論になっている。 進化学について無知な自分にはようやくめぐり合えた一書と言えます。ただ、後半になると難しい単語がさらりと書かれていて理解できず。分子時計、遺伝的浮動などなど。巻末に解説があるのだが、それを読んでもよく分からなかった。 進化学は自然淘汰説の後、一度突然変異説等にやられて窮地に追い込まれるが、進化の総合説(ネオ・ダーウィニズ2011/06/19